- 日本に来ている留学生の傾向
- 国際結婚を考えるうえで、注意すべき留学生の特徴
- 結婚ビザ目的の留学生とのトラブルに巻き込まれないためには?
あなたは、「外国人留学生」と聞いて、どのようなイメージを持つでしょうか?
日本は積極的に留学生の受け入れを促進した結果、ここ数年で日本にいる外国人留学生の数は爆発的に増加しました。
外国人留学生の多くは、日本に来日後にアルバイトをしたり、卒業後には日本企業へ就職したりするので、私たちとの接点も格段に増えています。
特に人手不足が顕著なコンビニエンスストアや、居酒屋チェーン店などでは、外国人留学生っぽい人をかなりの割合で見かけますよね。
一生懸命に働いて、勉強している姿を見ると、「外国人留学生=まじめ」という印象を持つ人も多いのではないでしょうか?
とはいうものの、まじめな留学生ばかりではありません。
「出稼ぎ留学生」という言葉をお聞きになったことはありませんか?
「出稼ぎ留学生」とは、留学生として日本に来るものの、実態はアルバイトをしてお金を稼ぎ、そのお金を母国に送金するという「就労目的」で来日する外国人であり、偽装留学生ともいえる存在です。
また、出稼ぎ留学生の中には、配偶者ビザを目的として、日本人と結婚するような外国人も含まれているのです。
おそらく、この記事を読んでいるあなたは、留学生とすでに付き合っているか、留学生との国際結婚に興味がある方だと思います。
この記事では、外国人留学生との国際結婚を考える方に読んでほしい、5つの内容を紹介しています。
かなりボリュームがある記事ですので、結論だけ知りたい方はこちらから読み始めてください。…そこからも、十分に長いのですが(汗)
本記事は、お店や国際結婚相談所、マッチングアプリなどで知り合った留学生を想定した内容です。学生同士の立場で知り合った場合には、この記事の限りではありません。
その1.日本で勉強する外国人留学生って、どんな人たちなの?
まず初めに知っていただきたいのが、日本に来ている外国人留学生が、どのような人たちなのかについてです。
こちらの内容をお読みいただくと、一般的な留学生と出稼ぎ留学生との違いが、明確に説明できるようになります。
(1)日本で学ぶ外国人留学生の数と国籍
留学生とは、留学ビザで日本に学びに来ている外国人のことです。
日本政府は2008年に留学生30万人計画を打ち出し、2020年までに留学生の総数を30万人まで増すことを目的として、様々な対策を行ってきました。
その結果、日本へ学びに来る留学生の数は、次のグラフのように毎年増え続け、2019年には外国人留学生の数が312,214人に到達。留学生30万人計画はその目標を達成しています。
国籍別にみると、中国からの留学生が圧倒的に多く、全体の4割程度を占めています。
続いてベトナム・ネパールからの留学生が増加していることが見て取れますね。
ベトナムとネパールの留学生は、震災前に比べ、10倍以上も増加しました。
今後は、スリランカ、ミャンマー、ウズベキスタン、バングラデシュ辺りの留学生が、増えるのではないかと予想されています。
このデータはまた後で使いますので、傾向だけ知っておいてください。
(2)留学生の日本滞在フローチャート
留学生が日本に来てから、母国に帰るまでの流れも知っておきましょう。
基本的な流れとしては、「日本語学校⇒高等教育機関⇒就職or帰国」となります。
この流れを知っておくと、外国人留学生との国際結婚トラブルを避ける手助けになるでしょう。
①日本語学校
留学生は、母国で日本語を勉強してきます。
しかし、日本語が話せる留学生はまれで、ほとんどの留学生は、あまり上手に日本語を話せません。
そこで、日本語学校という語学学校に入学し、日本語の勉強を徹底的に行うのです。
日本語学校へ入学する目的は、大きく2つあります。
- 留学ビザを発行してもらうこと
- 大学や大学院、専門学校などの高等教育機関へ進学するために必要な日本語力を身に付けること
留学ビザは、原則として、日本語学校が入学許可を出さなければ、取得できません。
従って、ある程度の日本語力がある学生も、一旦、日本語学校に入学してから、大学等へ進学することが多いのです。
日本語学校には最長で2年3ヵ月在籍できます。この間に大学等の進学で要求される、高度な日本語力を身に付けなければいけません。
日本語学校には、2年3ヵ月を超えて在籍することはできません。超えてしまった場合には、留学ビザを取得できなくなりますので、基本的に帰国の途に就くことになります。
②大学等
日本語学校で日本語を習熟した外国人留学生は、ほとんどが大学等に進学します。
大学等とは、大学や大学院、短期大学や専門学校などを指します。
大学等に入学するためには、とても高い日本語力が必要です。
中でも大学院と大学は、高度な専門用語も抑える必要がありますので、相当優秀な外国人でなければ入学できません。
ちなみに、外国人の日本語力は、日本語能力試験(JLPT)の取得状況によって評価することが一般的です。
日本語能力試験(JLPT)とは、日本語を母語としない人の日本語力を図るための試験で、各種在留資格の取得要件にもなっています。
最上位をN1、最下位をN5とする試験で、リスニングとリーディングスキルを測定します。
大学等への入学は、N1またはN2を取得していないと、かなり厳しいのが現状です。
したがって、日本語学校でN3までしか取得できていなければ、帰国の途に就かざるを得ません。
しかし、近年、お金に目がくらんだ一部の専門学校が、N3以下の留学生を積極的に受け入れ始めました。
こうした専門学校の存在は、日本語の勉強をせずアルバイトに没頭する出稼ぎ留学生を手助けしているとして、大変問題視されています。
③大学等を卒業後
大学等に在籍する留学生のうち、約7割の留学生は日本での就職を希望します。
しかし、実際にはその半分くらいの就職率しかありません。
日本の就活ルールや企業風土は、アジアでも極めて特殊といわれます。
たとえば、新卒一括採用・在学期間中に行う就職活動・終身雇用制度などは、日本特有のものと言われています。
また、選考試験の難しさについても触れておく必要があるでしょう。
日本企業は、留学生に対して、日本人並みの高度な日本語力を要求します。
それは試験にも表れていて、集団面接は日本人と行いますし、SPI試験も日本人と同等のスコアで判断されることが多いです。
N1を持っていたとしても、日本企業へ就職することはハードルが高く、就活ルールや企業風土の理解、それらへの対応まで求められるのが現状です。
そんな中、ホワイトカラーとして採用された留学生は、かなり優秀といえるでしょう。
ちなみに正社員として採用された留学生は、就労ビザに切り替えて、日本で働くことになります。
♥就労ビザを持つ外国人は、かなり優秀な人材です。
国際結婚と在留資格(ビザ)の関係を独断と偏見でまとめました。
関連記事 【保存版】国際結婚で必要なビザの知識をまとめてみた!【在留資格】
(3)留学生の約8割がアルバイトをしている
留学生は勉強をするために日本へ滞在しています。
したがって、原則として就労は認められていません。
しかし、資格外活動許可という許可を受ければ、週28時間以内(長期休暇中は、1日8時間以内、週40時間以内)のアルバイトは、法律によって認められています。
外国人留学生のうち約8割もの学生が、資格外活動許可を受けてアルバイトをしているんですよ。
なお、外国人留学生のアルバイトは、時間の制約だけでなく、職種に対する制約も設けられています。
外国人留学生が風俗営業に関連するアルバイトに従事することは、法律によって禁じられています。
留学生がアルバイトできない職種を知りたいかたは、こちらのリンクを参考にしてください。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令(第一~五条)
日本の外国人留学生に対するアルバイトの制約は、世界的にみるとかなり寛容な部類です。
たとえば、アメリカやイギリスは、留学生のアルバイトそのものを、原則として禁止しています。
その他の国も、週に20時間程度で制限されていることが多いんです。
(4)留学エージェントの存在
留学生のほとんどは、母国にいる留学エージェントを利用して、日本にやってきます。
外国で日本の学校が学生募集を行うのには、どうしても限界があるため、ほとんどの日本語学校が、現地のエージェントと提携して、留学生を募集しています。
ここで問題になるのが、留学エージェントの質なんですよね。
まともなエージェントもたくさんいますが、留学生をお金儲けの道具としてしかとらえない、非常に悪質なエージェントも多いのです。
すると、どうしても手段を選ばずに、多くの学生を募集する業者も出てきます。
特に多いのは、開発途上国におけるエージェントで、農村の貧しい学生たちに、以下のような勧誘をしているそうです。
月30万円といえば、開発途上国の大卒初任給半年分以上に相当することがほとんどです。
日々の生活に困窮している外国人は、留学エージェントの言葉に簡単に騙され、日本への留学を決心してしまうのです。
しかし、日本留学は多額の資金が必要で、日本語学校への学費は、1年目だけで100万円を超えるのが相場です。
学費は前払いが基本になりますので、平均月収が数万円の若者は、借金するほかありません。借金をしても学費が足りない場合には、家族ぐるみで借金を重ねます。場合によっては、田畑を売って、留学資金をねん出することもあるのです。
このような留学生は、借金を返済するためにも、アルバイトを優先してこなさなければなりません。
そして、法律ルールの枠組みの中では、月々112,000円(時給1,000円、週28時間×4週間)程度しか稼げないことを知り、絶望するのです。
もちろん、週28時間の制約なんか守るわけがありませんよね。
こうして、勉強が目的ではなく、アルバイト就労目的の留学生が誕生することになるのです。
- 留学生は増加傾向で、日本のアルバイト制約の緩さが、その一因です。
- 悪質なエージェントが増えています。
- その影響で就労目的の留学生が増えてきています。
- 開発途上国から来日する留学生は、借金を背負っているケースが多いです。
その2.違法就労する出稼ぎ留学生について知ろう!
先ほどのブロックでは、一般的な留学生と出稼ぎ留学生の基本的な知識について、お伝えしました。
ここでは、就労目的で来日し、違法就労に手を染める出稼ぎ留学生について、もう少しスポットを当ててみたいと思います。
(1)週28時間勤務の実態
母国で借金をし、勉強でなく就労目的で来日する偽装留学生のことを、『出稼ぎ留学生』といいます。
来日当初こそ希望に満ち溢れているのですが、出稼ぎ留学生のほとんどは、時間の経過とともに徐々に留学したことを後悔し始めます。
- 日本語ができないと、時給の低い製造工場でしかアルバイトできない。
- 週28時間しか働けず、月に20万円をかせぐことなど不可能である。
…騙された。そう思ったときには、もう手遅れなのです。
とはいえ、大金を支払ってしまった後ですから、何もしないで帰国するという選択肢はありません。
…どうしようか?考えていると、しばらくして希望が見えてきます。同じ国の出身の留学生コミュニティがあり、こんな情報が回ってくるのです。
出入国在留管理庁は人手不足
出入国在留管理庁に違法な超過就労が知られれば、母国に強制送還される可能性があります。
また、強制送還に至らずとも、次回のビザ更新が不許可になる可能性が格段に高まります。
違法就労がバレた時のリスクは非常に高く、その抑止効果も相当のものが見込めるはずなのですが…
現状は取り締まられることが少なく、ほとんど抑止力がないというのが現状です。
Ans. 取り締まるための人員が不足しているため
じつは出入国在留管理庁は、大変な人手不足に陥っています。
留学生だけではなく、インバウンドや技能実習生・特定技能など、日本に入国する外国人は年々増加しています。事務手続きが爆発的に増加しているのに対して、職員数はそこまで増えていないのが現状です。
失踪する外国人も後を絶たず、日本人の安全を確保するためには、彼らを放置することも許されません。
留学生にもマイナンバー制度は適用されていますので、きちんと調査すれば、違法な超過就労を摘発することは可能なのです。
しかし、そのためのマンパワーがない。『バレない』ではなくて、『他の悪質な犯罪等に力を割かざるを得ない』状況だということですね。
日本全体が人手不足
出入国在留管理庁が人手不足なのはお伝えした通りですが、今は日本全体が未曽有の人手不足。
特に、3Kといわれる職種では、もはやアルバイトの募集をかけても日本人は集まりません。
ところが、日本語が低い留学生は、どんなアルバイトでもやりたいと思っています。
「働き手がほしい」という企業の思惑。
「働きたい」という留学生の思惑。
コンビニエンスストアのおにぎり一つとってもわかりますが、この両者の関係性が失われると、成立しない業界も出始めています。
工場でのおにぎり製造、コンビニ店舗での陳列・販売。これらはすべて留学生の働きなしでは成り立ちません。
一部の国会議員には、留学生のアルバイト規制を撤廃しようとする動きさえ見られます。
このような背景から、あまりに悪質性が高くない限りは、大々的に取り締まっていないのではないかとも推測されます。
いずれにせよ、週28時間の就労規制を順守する留学生のほうが少ない、(あくまでも体感です)という異常な状況が放置されている、という実態には変わりがありません。
(2)出身国と違法就労の関連性
違法就労する留学生と、留学生の出身国にはある程度の関連性が見られます。
留学生の爆増の背後には、留学エージェントの存在がありましたよね?
留学エージェントは、日本に来たいという学生が集まりやすい国で、活発に活動します。
たとえば、中東の国々での活動はあまり活発ではありませんが、それは中東には日本に出稼ぎに来るほど貧しい学生が多くないこと、立地条件や心理的にヨーロッパの方が魅力的にみられること、などが理由としてあげられます。
逆に次のような特徴がある国では、留学エージェントが活躍しやすいのです。
- 開発途上国
- 日本と物理的に離れすぎていない
- 一定以上の親日感情(日本からの直接投資、日本文化や日本語学習の浸透など)
これらの条件を満たしたのが、ベトナム・ネパール・スリランカなどであり、近年爆発的に留学生が増えた国々です。
このように、留学エージェントを利用すると、特定の国々を出身国とする留学生が増えやすくなり、かつ、「出稼ぎ目的の留学生」の割合が高くなるのです。
残念ながら留学生が急増した国の留学生は、違法な超過就労に走る可能性が高い傾向があります。
留学生の出身国と違法就労には、少なからず関連性があるということです(国民性ではなく、留学エージェントのやり方が問題)。
実際に、出入国在留管理庁は、留学ビザを発給する際は、外国人留学生の国籍を非常に重視します。
(3)出稼ぎ留学生の苦悩
ここまで出稼ぎ留学生について、日本全体のシステムという観点から見てきましたが、ここでは彼ら個人の状況に目を向けてみましょう。
出稼ぎ留学生は、1円でも多くの賃金を稼ぐため、なるべく長時間働くよう調整します。
中には、違法就労をしすぎて、睡眠時間の平均が2~3時間という留学生もいるようです。
出稼ぎ留学生といっても、日本語学校には通学しなくてはなりませんが、当然授業に集中できる体調ではなく、日本語はいつまでたっても上達しないのです。
外国語を習得することは、決して楽な作業ではありません。
大学等の入学に必要なN2以上の日本語力の習得は、出稼ぎ留学生にとってほぼ不可能といえるでしょう。
N2・N1が取れないまま、2年が過ぎてしまったら…?
日本語学校には、最長でも2年3ヵ月しか在籍することができません。
では、2年3カ月で進学に必要な「N1、N2」の日本語力が身につかない留学生はどうなるのでしょうか?
「進学できない(しない)」留学生は、原則として「帰国」することになります。
就労目的で来日する出稼ぎ留学生は、N2以上の日本語力は身に付けることは難しいので、ほとんどの学生は、本来この時点で帰国するはずなのです。
ところが、近年この流れが少し変わってきました。
一部の悪徳専門学校が、N3以下の日本語力しかない出稼ぎ留学生を、積極的に受け入れ始めたのです。
留学費用を捻出するため、多額の借金をして来日している出稼ぎ留学生たち。もちろん、彼らはできるだけ日本に滞在して働きたいと考えています。
このような専門学校には、出稼ぎ留学生の入学希望が殺到することになります。
本来であれば帰国を余儀なくされる留学生の足元と、制度の抜け穴をついた、極めて悪質なビジネスといえるでしょう。
このような専門学校のおかげで、日本語学校卒業と同時に帰国する留学生の数は減少しています。
【参考】罪深い留学生ビジネス
立場的に弱い留学生を食い物にするビジネスは、大変罪深いといえます。
長期的に見れば日本の国益を損ねる行為ですし、何より倫理的に許されません。
中でも悪質なビジネスモデルが、日本語学校と専門学校が共謀して、半強制的に出稼ぎ留学生の進路を決定するものです。
- 日本語学校が、卒業資格要件がない留学生に、ある条件を付けて、卒業証明書を発行します。
- 卒業証明書の発行条件は、『特定の専門学校に進学すること』です。
- ほとんどの場合、日本語学校と専門学校の経営者は『同一人物』です。
このような日本語学校は、当初から出稼ぎ留学生を積極的に受け入れ、違法就労も見て見ぬふりをしています。
そして、日本語学校卒業のタイミングで、「帰国が嫌ならお金を払いなさい。もう少し日本に居させてあげるから」と持ち掛けるわけですね。
出稼ぎ留学生が、他の専門学校への進学を希望したとしても、難癖をつけて必要書類を発行しません。系列の専門学校へ進学させるためです。
- 就労目的の留学生の労働力は、貴重な戦力と考えられている。
- 週28時間の就労制約は、名目上のものになりかけている。
- 週に28時間以上の就労は、日本語学習に支障をきたす。
- N3でも、専門学校までは、進学できるケースが増えている。
- 出稼ぎ留学生は、専門学校を卒業すると、帰国する。
その3.こんな留学生との国際結婚にはご用心!
出稼ぎ留学生は、昼も夜も必死にアルバイトをします。
しかし、元の借金額があまりに大きく、借金は返済できていないことがほとんどです。
「貯金なんて夢のまた夢…何のために日本に来たのかわからないわ…。」
「家族に借金を背負わせたまま、帰国することなんてできないよ。」
出稼ぎ留学生の多くは、帰国日が近づくにつれて、このような気持ちが徐々に強まっていきます。
もっと日本にいたい!
もっと日本で働きたい!
ずっと日本で生活したい!
出稼ぎ留学生は、追い込まれると雲隠れ(失踪)するケースがありますし、最近では難民申請をして、偽装難民に鞍替え(※難民申請中は日本に滞在可能)することも増えてきました。
そして中には、日本人と国際結婚して、配偶者ビザを取得し、日本での生活を続けたい、と考える留学生も出てくるのです。
私は国際結婚相談所やマッチングアプリを利用していましたが、出稼ぎ留学生かもしれない、と感じる外国人をたくさん見かけました。
国際結婚相談所やマッチングアプリに登録している留学生の中には、配偶者ビザを目的とした外国人がいるという視点は、常に持っておいた方が良いでしょう。
ここでは、国際結婚相談所やマッチングアプリで特に気を付けた方が良い留学生を、3つのパターンに分けて紹介します。
パターン1 日本語学校の留学生
日本語学校に通学しながら、国際結婚相談所やマッチングアプリに登録する外国人は、警戒を強めた方が良いでしょう。
結婚ビザを目的とした国際結婚を狙う、危険な留学生も含まれているからです。
冷静に考えてみれば、そもそも登録していることが、ちょっとおかしいことに気が付くはずです。
日本語学校に通学する目的は、日本語能力を身につけて、『大学等へ進学すること』ですよね。
大学や専門学校に進学すれば、大勢の日本人と一緒に勉強しますので、日本人の友達もたくさん作れます。もちろん、恋愛に発展することもめずらしくないでしょう。
なぜ、進学する前に、お見合いで日本人と結婚しようとしているのでしょうか?
…このような出稼ぎ留学生が多くいることは、容易に想像できますよね。
もちろん、純粋に日本人と付き合ってみたいという外国人留学生も多いでしょう。
本気で「結婚」までは考えておらず、とりあえず登録しているだけだよ、という外国人留学生もいると思います。
マッチングアプリに登録している留学生は、このパターンの外国人も少なくないかもしれません。
ただ、国際結婚相談所に登録している留学生は、確実に「結婚をゴール」にしていますので、よくよく真意を見極める必要があります。
いずれにしても、日本語学校に通学する留学生が、国際結婚相談所やマッチングアプリに登録することが不自然であることは、気に留めておく必要があるでしょう。
パターン2 日本語力が低い専門学校生
専門学校に在籍していても、日本語が上手に話せない留学生も、注意が必要です。
日本に来た留学生は、日本語学校を卒業したのち、大学等に進学することは、先ほど説明した通りです。
「大学等」には、大学院・大学・短大・専門学校などが含まれますが、半数以上の留学生は「専門学校」を進学先として選択します。
もともとは、専門学校より大学へ進学するという留学生が多かったのですが、近年その傾向が変わってきたのです。
主たる進学先が専門学校に変化した理由として、次の2つの要因が考えられます。
- 非漢字圏(漢字を使わない国)の留学生が増加したこと
- 前述の悪徳専門学校が影響力を増していること
じつは留学するため日本へ来た当初は、大学進学を望む留学生の割合が高い、というデータがあります。
しかし、思うように日本語力が伸びず、専門学校に進学せざるを得ない留学生が、相当数いるんですね。
近年、ベトナムをはじめとする非漢字圏からの留学生が増えています。非漢字圏の留学生は、日本に来て初めて「漢字」に触れますから、漢字圏(中国、台湾など)の留学生に比べて、日本語の習得に時間がかかります。会話は何とかなっても、「読み書き」の日本語スキルで苦戦してしまうのです。日本語能力試験は筆記試験ですから、非漢字圏の留学生はN2以上を取得できないケースも目立ち、結果として大学への進学率が伸び悩む結果となっています。
さて、専門学校に通う留学生は、大きく2つのタイプに分けられます。
1つ目は、専門学校に進学して日本語力を高めて、改めて日本の大学受験にチャレンジしたり、日本企業に就職したりすることを、目標としている留学生。
2つめは、日本に少しでも長く滞在できるように、悪徳専門学校に在籍している出稼ぎ留学生。
前者の留学生は、国際結婚する相手として、なにも問題はありません。
国際結婚の相手として絶対に選んではいけないのは、悪徳専門学校に在籍している出稼ぎ留学生です。
両者を見分けるのは難しくありません。「日本語力」に注目してください。
前者は読み書きは苦手でも、日本人との会話は普通に成立します。
出稼ぎ留学生は、同じような外国人ばかりの環境でアルバイトをしていますから、日常的な日本語力がいつまでたっても向上しません。
出逢った留学生が専門学校生であれば、かならず日本語力をチェックしましょう!
◆日本語能力試験の取得状況では、日本語力は評価できない!?
日本語能力試験は、筆記試験ですので、間違いなく漢字圏の留学生は合格しやすいです。
たとえば、中国や台湾出身の留学生は、専門学校生でもN2・N1を取得していることが一般的です。
一方で、ベトナムやネパールなどからの留学生は、N3しか取得できていないことも、実際は多いのです。
パターン3 わたり留学生
最後に「わたり留学生」について、見ていくことにしましょう。
「わたり留学生」とは、複数の専門学校を転々とする留学生のことです。
日本語学校には、最長で2年3ヵ月しか在籍することができません。また、卒業後に別の日本語学校に入学することも認められていません。
ところが、専門学校には、そのような制約が存在しないのです。
- 1つの専門学校の中で、コースを転々としながら、何年も在籍することが可能です。
- ある専門学校を卒業して、別の専門学校に入学することもできます。
このように、専門学校を転々として、日本に居続ける行為を『わたり』というのです。
『わたり』自体は、合法的な行為ですのですから、なんら違法性はありません。
ただ、国際結婚を考える場合には、わたり留学生の危険性を認識しておいた方が良いでしょう。
『わたり』の理由は、おそらくご想像のとおりで、わたり留学生のほとんどが出稼ぎ留学生であるなのです。
わたり留学生の在籍先としては、質が高くないIT専門学校や、アニメーション専門学校が多いです。
わたり留学生と分かったら、近づかない方が無難です。
- 出稼ぎ留学生が、配偶者ビザを狙っている可能性がある。
- 国際結婚相談所にいる日本語学校の留学生は、最大限に警戒した方が良い。
- 日常会話をするのがむずかしい専門学校の留学生は、気を付けた方が良い。
- わたり留学生には近づかない。
その4.ビザ目的の留学生を見抜く3つの方法
方法1 国籍を見る【重要!】
留学生が急激に増加している国名は、チェックしておいた方が良いでしょう。
増加の背景には、間違いなくエージェントの存在があります。そして、悪質なエージェントの存在は、出稼ぎ留学生を生み出してしまいます。
留学生の国籍だけで判断してはいけませんが、国際結婚を考えるうえで、留学生の国籍はとても重要な判断要素になります。
出入国在留管理庁でも、悪質なエージェントと出稼ぎ留学生の因果関係を重視し、留学ビザの許可判断を『留学生の国籍』で行っています。
また、偽装結婚かどうかという判断をする際にも、日本人配偶者の国籍をチェックしているんですよ。
◆ 留学ビザの申請件数と交付率
こちらは留学ビザの申請件数と許可率についてまとめたものです。
従来から、留学生の国籍によって必要な提出書類も異なり、許可率にも違いがあったのですが、ここにきてその傾向がより顕著になりました。
ミャンマーは優秀な方多いんですけどねぇ…あと表にはありませんが、インド留学生もほとんど許可されていないと聞きました。
あなたは、新しい在留資格『特定技能』についてはご存知でしょうか?
『特定技能』とは、外国人労働者向けの就労ビザですが、今回の変化は、『特定技能』に出稼ぎ留学生を流すという狙いがあるのかもしれません。
1つ目は国籍によるフィルター、そして2つ目に現地の大学を卒業しているかどうか?というフィルターを設けて、判断していると思われます。
方法2 日本語力をチェックする※特に専門学校生
ここまでお話しした通り、留学生の日本語力と在日目的は大きな相関関係が認められます。
とくに専門学校生の場合には、日本語力のチェックは必須といえるでしょう。
ただし、出身が漢字圏(中国・台湾・香港)なのか、非漢字圏(左記以外)なのかにより、判断基準は変わってきます。
- 漢字圏の留学生 ☞最低N2以上
- 非漢字圏の留学生 ☞N2以上が望ましいが、最低N3以上。
方法3 将来のビジョンについて尋ねてみる
配偶者ビザ目的の留学生は、明確な将来のビジョンがないことが多いです。
結婚時期や、将来の拠点に関する質問は、結婚目的を見極めるうえで非常に有効でしょう。
- いつ頃結婚したい? ☞『すぐにでも』という留学生はビザ目的!
- 将来はどこに住みたい? ☞『ずっと日本にいたい』といわれたら、『私はあなたの母国に住みたい』と言ってみましょう
他にも仕送りをどうするか、介護についてどう考えているか、という質問も有効ですよ。
- 仕送りはNGと言ったら、不満そうな顔をする留学生
- 母国の両親の介護について、都合よくはぐらかす留学生
その5.お付き合い後の5つのチェックポイント
ポイント1 留学生の故郷のことをよく調べる
あなたのお相手の留学生は、どこの国のどんな地域のご出身ですか? お相手の故郷の情報は、ビザ目的の結婚を見抜く観点からは、とても重要なポイントです。
外国人が偽装結婚に走る最大の理由は、母国での貧困状況からの脱出です。 出稼ぎ留学生が、日本へ留学してくる目的も同じですね。
つまり、お相手の母国、とくに故郷の経済状況を調べることが重要になるのです。
- Wikipedia ☞お相手の故郷の経済状況を調べましょう!
- GoogleMap ☞お相手の故郷の様子を見てみましょう!
当然、お付き合いしている留学生の方からも、故郷の情報は聞いていると思います。あなたが調べた情報と、留学生の方がおっしゃいている内容が一致しているかを確認してみてください。
以下のような場合には、その方との国際結婚は、少し考えたほうが良いでしょう。
- 故郷の経済状況について、どうもウソをついているようだ…
- 思った以上に留学生の故郷の経済状況が厳しいようだ…
ポイント2 留学生の家族構成をよく聞く
お相手の家族構成は、結婚を考えるうえで、非常に大切な要素になります。
Q1. お相手の留学生のご両親は健在でしょうか?
Q2. お相手の留学生は、兄弟の中でどのようなポジションですか?
Q3. お相手の留学生は、家族に会うために、年に何回帰国しますか?
国際結婚したら、年1回が限界(多くても2回)ですよ。航空チケット代もバカになりませんし、日本での生活基盤もあるはずです。
♥国際結婚後の里帰りについてまとめてみました。
里帰りについては、国際結婚前にぜひ知っておきたいですね!
関連記事 国際結婚後の里帰り頻度は年間どれくらい?帰省費用はいくら?
ポイント3 結婚を強く迫ってくる留学生には要注意
やたらと結婚しよう!と迫ってくる留学生には気をつけましょう!
その留学生は、ひょっとしたら配偶者ビザや永住ビザを取得する目的で、あなたに近づいているのかもしれません。
少しでも違和感を感じたのであれば、『お相手の国で結婚生活を送ること』や『籍を入れない事実婚』を提案してみてください。
日本での結婚生活にこだわる留学生、籍を入れることにこだわる留学生は、ビザ目的の結婚を考えている可能性があります。
アルバイトの状況や日本語力と合わせて、最終的な判断をしていく必要があるでしょう。
ポイント4 留学生と体の関係を持つときには気を付ける
国際結婚に限ったことではありませんが、身体の関係を持つときには、必ず避妊するようにしましょう。
もしも、相手の留学生がよからぬ考えを持っていた場合、圧倒的に不利な立場になります。
ちなみに、国際結婚相談所の場合、肉体関係を持つと成婚とみなされることが多いので注意してください。…いわなければバレませんけどね。
ポイント5 留学生の発言に嘘がないかを疑い続ける
お相手の留学生との会話や行動の中で、少しでも気になることがあれば、スルーしないで確認するクセをつけましょう。
人間は恋愛状態になると、ちょっとくらいおかしな言動があっても、気にしなくなります。通常であれば違和感を覚えるような不自然な点があっても、スルーしてしまうのです。
しかし、人が持って生まれた”違和感センサー”は非常に優れモノ。探知した違和感はおそらく本物であり、スルーしてはいけない性質のものなのです。
ビザ目的の留学生と国際結婚してしまってからは取り返しがつきません。一時の感情に流されず、冷静な判断を行いましょう。
外国人留学生との国際結婚は、あり?なし? ~まとめ~
出稼ぎ留学生が増えてきています。
出稼ぎ留学生の特徴を知っておきましょう。
日本語学校に通学していて、結婚というのは警戒必要
出稼ぎ留学生と、出身国には強い相関関係があります。
お付き合いが始まっても、ひきつづき注意はしておきましょう。
いかがでしたか?
今回は留学生との国際結婚はあり?それともなし?という内容で記事を書いてきました。
最終的な判断は、あなたにお任せするスタンスで、あくまでも判断材料に資する内容に徹した記事内容にしています。
それでも最後に、あえて私から申し上げるのであれば、次のような考えになります。
- 国籍と日本語力は、注意深く見るべし!
- できれば『大学(大学院)』に在籍する留学生か、『母国で大学を卒業している留学生』に絞るべき
自然恋愛以外での留学生との結婚は、あなたが思っているよりも、リスクは高いのです。
出入国在留管理庁の審査基準がよほど厳しくならない限り、この状況は変わらないと思います。
ただ、最終的に結婚というのは、人と人とがするもので、絶対的な答えはありません。気持ちだって途中で変化することも十分に考えられます。
焦らずじっくりと付き合ったうえで、その留学生と国際結婚したいと心から感じたのであれば、それは間違いなく幸せな国際結婚になると思います。
今回の記事の位置づけは、答えではなくヒントにすぎません。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。