中国人は中々謝らないって聞くけど、それ本当なの?
私はプライベートでもビジネスでも中国人との関係がありますが、まともに謝られたことなんて、片手で数えられるくらいですね。
かといって、中国人とうまく付き合えていないかというと、そうでもありません。
この記事では、謝らない中国人との関係を円滑にする方法をお伝えます。
◆ なぜ中国人は謝罪しないのか?理由を考えてみましょう!
◆ 謝罪しない中国人と、円滑に付き合うためには?
中国人は大嫌い!だってあいつら、絶対謝らないし!
そのような人は、この記事を読むことで、少し見る角度を変えていただけるはずです。
国際結婚にも、ビジネスシーンでも、はたまた友人関係にも使える内容ですよ!
中国は多民族国家ですし、地域による文化差もかなり多様です。『中国人』というカテゴライズは大きな意味をなしません。この記事の内容は、あくまでも一つの”傾向”としてとらえてください。
1.中国人が謝らない2つの理由
理由1 ”謝罪”の持つ意味がとても重い
中国語では、『不好意思(ブーハオイース)』と『对不起(ドゥイブチー)』が代表的な謝罪を表す言葉です。
- 『不好意思』 ☞すみません
- 『对不起』 ☞ごめんなさい
私は中国人妻との生活のなかで、『对不起』といわれたのは、わずか2回です(笑
『不好意思』もめったにいわれないですね。
これがなぜかというと、最大の理由は『謝罪の持つ意味』ではないでしょうか?
日本では、『ごめんなさい』とか『すみません』って、その後の人間関係をスムーズにする程度という認識で、使われることも多いですよね? つまり、コミュニケーションを円滑に行うために、(本心はどうであれ)とりあえず謝るのが日本人なのです。 日本人は謝罪に対してはとても寛容で、謝罪すれば大体”コト”は収まってしまいます。
要は日本人は、『謝罪の言葉』と『謝罪の内容』を切り離して捉えるし、言葉があれば、内容がどうであれ、許してしまう傾向があるということですね。
一方中国では、そのような甘々な考え方は通用しません。『謝罪=自分の非を認める』ことであり、全責任が自分にあることを認めるのが謝罪の意味です。そこから生じた責任や賠償はすべて負う覚悟がなければ、謝罪してはいけないという文化なのです。
中国人は謝罪に対してはとても厳格で、謝罪すれば”全責任”を取らされかねません。これがビジネスであれば、最悪辞職や退職を余儀なくされ、生活ができなくなる可能性だってあり得るんです。
日本は、謝罪した人に対して寛容なのに対して、中国では、謝罪した人に対して大変厳しい文化だということができますね。
ですから、中国人は頑として謝りません。
日本人から見れば、笑ってしまうような言い訳をしてでも、謝罪を避けようとするのです。非を認めると、どのような責任を取らされるかわかりませんからね。
中国人が謝罪をせずに言い訳に終始するのは、一種の自衛手段であるといえるでしょう。
中国からの印象も知ろう!
日本人からすると、中国人は『言い訳をして謝らない!』と写りますよね?
では、すぐに謝る日本人は、中国人から見てどのような印象なのでしょうか?
理由2 面子を重んじる文化である
中国では、小さな頃から親に『人前で恥をかかないような人間になりなさい』という教育を受けています。
面子(メンツ)の文化は、親から子へ、そしてまたその子へと引き継がれている中国人のDNAであり、中国人にとっては面子を守ることが何よりも重要なのです。
中国に行くと、食べきれないほどの量の食事で、おもてなしをされると聞いたことはありませんか? よく言えば『おもてなし』なのですが、その裏には、『こんなにもてなせる俺スゲーだろ?』という面子が絡んでいるんですよ。
おもてなしについては、みんなHAPPYになれますから良いのですが、この面子文化がマイナスに働くのが『謝罪』なのです。
『謝罪する=自分のプライドが傷つく』という図式ですから、中国人にとってはメンツが立たないということになります。 これが、心理的に謝罪を忌避する要因になっているんですね。
プライドを守るために必死で言い訳をしますし、プライドを傷つけられたと感じたら、その相手に対して全力で向かってきますよ。。。
2.謝罪に関する中国人へのタブーを知ろう!
タブー1 謝罪を強要する
トラブルが起こった際、中国人に謝罪を強要することはタブーです。というか、無意味。
そもそも謝罪することで責任を負いたくない!と考えているところに、『謝れ』というプレッシャーをかけたらどうなるでしょうか?
中国人は『面子文化』であることをは前述のとおりです。そこで謝ったら、面子まで傷つけられると考えてしまいますよ。
結論:謝れ!というと、ますます意固地になって謝りません! 場合によっては火がついてしまい、収集がつかなくなることも…
私も妻とのケンカの際、『謝れ』みたいな感じで迫ることがありますが、決まって態度が意固地になり、そうなると絶対に謝りませんね(笑
ビジネスシーンで中国人と接する機会がある方は、注意したほうが良いポイントですよ!
タブー2 人前でしかる
謝罪を強要しなかったとしても、中国人を人前で叱責することはタブーですよ!
自分の面子を守りたい、と強く思っている中国人。彼らを人前で叱責してしまえば、関係悪化は避けることができないでしょう。
ものすごい勢いで言い訳や反論をしてくる中国人も、少なからずいるはずです。
ビジネスシーンでは、ついつい人前で叱責してしまうかもしれませんが、大きなトラブルにつながりかねませんので、じゅうぶんに気を付けてくださいね!
人前での叱責については、東南アジア(ベトナムやタイなど)の外国人も、気にしたほうがベターです。
彼らも非常にプライドが高いですから、その場ではトラブルにならなくても、後々、職場の人間関係が悪化する可能性がありますよ!
3・謝罪しない中国人と上手に付き合うには?
『没有问题』に見る中国人の思考
中国人ビジネスマンが口癖のように言う言葉があります。
仕事を依頼したり、途中経過を聞いたりすると、ほぼ間違いなくこの言葉が返ってきます。
ただ、本当に問題がないかというと、それは分かりません。『有问题(ヨウウェンティ)☞問題あり』の可能性も十分にあるのです。
自分が仕事に問題を抱えていることを、他人に知られたくないという『面子』が、『没有问题』という返答なのです。
本当に問題を抱えており、それが悪化すると、発言の内容が微妙に変わりますよ。
…もうお気づきかと思いますが、この時点で問題は相当に悪化しています(笑 かなり深刻な状況ですが、まだ何とかなる可能性があるのも、『没有关系』です。ここで課題を発見し、踏み込むことができれば、惨事を事前に防ぐことができます。
もしも、『没有关系』を言葉通りに受け取り、サインを見逃してしまうと…?
…お気づきですよね?
『没有办法』の時点で中国人を叱責しても、言い訳が始まって、何の解決にもなりません。
まとめ
◆中国人は面子で『大丈夫』と言ってしまう ☞指示や約束事が不明確だと、言い訳する余地を与えることになる
◆中国人の自信が揺らいだ時は、すでに結構危ない状態 ☞この状態であれば、リカバリーは可能
◆『ダメ』と言い出した時には手遅れ ☞言い訳に終始し、責任は認めない。謝罪させることも難しい
方法その1 『没有问题』の時点で、徹底的に議論する!
『没有问题』の段階で、本当に問題がないのか、何か不安な点はないのかなど、徹底的に議論をしておくことが必要です。
日本には、『こういえば”きっと”伝わるだろう』という、以心伝心の文化が根づいています。俗にいう『空気を読む』ということですよね。
ただ、中国人は、空気が読めません(笑 自分の面子を守るために、『没有问题』といってその場をしのいでしまいます。
この時点で重大なコミュニケーションのギャップが生じているんですね。
日本人が中国人とうまく付き合っていくためには、『あいまいな表現や解釈』をなるべくなくして、『具体的なイメージ』が共有できるまで議論を重ねることが必要なのです。
方法その2『没有关系』で解決することが大切!
『没有关系』はビジネスの話かもしれませんが、それ以外にも使えるテクニックです。
自信満々だった(かのように見えた)中国人が、少しでも弱気に映った瞬間があれば、そこには問題解決の重大なヒントが隠されている可能性が高いです。
ビジネスでもプライベートでも、この時にはじっくりと中国人と話をし、問題解決に努めましょう。
4.今後は中国人も謝る…かも? ~まとめ~
いかがでしたか?
中国人が謝らない理由は、『責任』と『面子』だったんですね!
いっぽうで、日本人は『謝罪=コミュニケーションの開始』ですので、両者の謝罪に対する認識は、まるで異なっていることもわかりました。
ただ、日本も世界的に見ると謝りすぎですから、どちらが一方的に正しいというものではなく、相互に理解して尊重しあう必要があるのではないかと思います。
中国では日本の民度は高く評価されていますから、日本の挨拶文化の影響がゼロではないでしょう。インバウンドとして訪日する方、留学生として日本で学んだ方、このような方が、中国で日本の良いところを広めてくれているのです。
とくに日本へ留学した学生さんなどは、アルバイト職場で『挨拶の重要性』のほかにも、『顧客対応』で日本流の謝罪の意味を学んでいるはずですので、ひょっとしたら、中国人が『不好意思』を普通にいう日が、訪れるかもしれませんね!
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!