外国人受け入れ

2019年春にも、留学生の日本企業就職を加速する新制度導入へ

                  

こんにちは、MAKOです!

外国人労働者の受入が本格化していくニュースが多く報道されていますが、大きくピックアップされていないニュースの中にも、影響が大きい出来事も紛れていますね。

MAKO
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今回は、留学生の日本企業就職に関する要件緩和のニュースについて解説します。

法務省は外国人留学生の就労拡大に向け、新たな制度を創設する。日本の大学または大学院の卒業後、年収300万円以上で日本語を使う職場で働く場合に限り、業種や分野を制限せずに外国人の在留を認める。これまでは大学の専門分野に関連した就労しか認めていなかった。来春にも新制度を導入し、留学生の就労拡大につなげる。(2018/9/6付 日本経済新聞(電子版)より引用)

 

さて、こちらの>>「今後は国際結婚が増える」という記事の中でも予想しましたが、やはり留学生の日本企業就職への要件が緩和されるようです。今回の新制度創設は、まだまだ序の口だと思います。これからもさらに緩和されていくでしょう。

今回のニュースを深く知ることで、日本政府の外国人労働力に関する方策が見えてくると思います。国際結婚が増加に転じる、というイメージもつきやすくなると思いますので、興味のある方はぜひご覧ください!

1.留学生30万人計画

留学生30万人計画とは

晴れ渡った中、キャンパスを談笑しながら歩くいろいろな国籍の学生たち

留学生30万人計画とは、2008年第2次福田内閣の際に打ち出された留学生施策の一つです。留学生30万人計画では、インパクトのある2つの数値目標が目を引きます。

  1. 2020年東京オリンピックの年までに留学生を30万人までふやす
  2. 2020年までに留学生卒業者5割の国内就職を目指す

留学生は、資格外活動許可を取得することで、週に28時間のアルバイト勤務ができます。学生時代はアルバイトとして、卒業後は正社員としての労働が期待されていると考えることが可能でしょう。

MAKO
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留学生30万人計画は、当初から留学生を労働力として活用することを期待していた政策といえます。

 

留学生30万人計画の進捗

2017年には留学生数が26万人を突破し、2020年の留学生総数30万人という目標の達成は、ほぼ確実視されている状況です。

いっぽうで、留学生卒業者のうち、国内で就職できている割合は、就職希望者のうち約40%です。しかも、中国の留学生は、母国に戻って就職するケースも増えてきていますから、就職希望率は年々減少傾向にあります。

このような観点からすると、就職率は想定よりも低い水準であるといえるでしょう。

  • 2020年までに、留学生30万人の数値目標は達成できそう。
  • 一方で、就職率50%の達成は難しい状況である。

 

2.出稼ぎ留学生は、期限付きの労働力!?

居酒屋でアルバイトをする若いアジア人女性

就職希望者のうち5割を国内の企業へ就職させるという目標がありましたよね。

KEY
KEY
なんか5割って、微妙な数字ですよね。どうしてもっと高い数値を目標として設定しなかったんですカ?
MAKO
MAKO
これには理由が2つあります。
  1. 外国人が日本の企業へ就職するハードルが高い
  2. 留学生の質にもばらつきがあり、全員に就職してもらう必要はない

①については、またこの後に触れていきます。

ここで考えていただきたいのが②の要素なんです。

宅配サービスをしている外国人男性 悪だくみをしている外国人男性

近年、出稼ぎ留学生と呼ばれる学生が増えており、そのような学生は、週に28時間というアルバイト規制を守らずに、ひたすらアルバイト三昧の生活を送っています。

 

留学生として来日しながら、日本語力はほとんど身に付かず、本来であれば進学ができないようなレベルの学生も多くみられるようになりました。

 

そして、そのような学生を受け入れることで、経営を成り立たせる専門学校が登場してきたのも最近のことです。

 

入国管理局は、28時間規制については、人手不足を理由にほとんどテコ入れをしていません。

この状況は、大変問題があります。

日本が行っていることは、留学生を労働力として活用し、卒業の時点でふるいをかけ、優秀な学生は正社員としての在留を許可、そうでない学生には帰国を強制していることに他ならないのです。

MAKO
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理由はどうであれ、出稼ぎ留学生を、期限付きの労働力として扱っている、と非難されても仕方ないでしょう。

この入口を甘く、出口を締め付けて労働力を確保するやり方は、留学生の反日感情を醸成し、将来的な国益を損なうことにつながっています。

留学生労働政策の入り口部分については、早急な見直しを行うことが必要です。在留管理庁には、厳格な対応が求められます。

3.優秀な留学生でも、日本の企業に就職できない理由

先ほど、日本企業への就職率が低い原因の一つに、「外国人が日本の企業へ就職するハードルが高い」ことを挙げました。

しかし、それ以外にも、日本企業への就職が進まない理由がいくつかあります。

この問題については、以下の3つの観点から考えることが必要です。

日本企業が要求する能力のハードルが高い

こめかみをおさえて悩む、リクルートスーツ姿のアジア人女性

多くの日本企業は、日本人と同じ選考を外国人に課します。

特にSPI試験や集団面接試験などで、外国人であることのハンディが出やすく、よほど優秀な学生でないと内定を勝ち取れない状況がうかがえます。

SPIは、私たちが英語で数学の問題を解く難しさを考えれば、想像できるでしょう。

集団面接試験では、日本人と一緒に話す中で、日本語に自信が持てずに、本来の自分を出せないという留学生が多いようです。

日本企業の文化的ハードルが高い

リクルートスーツで困った顔をしている外国人女性

日本企業独特の終身雇用や、年功序列賃金などに抵抗を示す外国人は多いです。

また、新卒一括採用や、スーツ着用を義務付けるなども、海外では見られない制度です。

KEY
KEY
就職活動を続けるうちに、日本の企業へ就職する意欲が減退する学生も少なくありませんネ…。

就労ビザへの変更要件のハードルが高い

持っている道具を頭の上にかざして、どうしていいかわからない外国人女性

留学ビザから就労ビザへ変更する際、関連性の要件という要素をみたす必要があります。

関連性の要件とは、就職先の企業において、日本の学校で学んだ専門的な知識や技術を利用するかどうかという要件です。

笑顔でコーヒーを運ぶ外国人女性

これは、出稼ぎ留学生のような学生には、卒業と同時に帰国してもらうという日本政府の方針を実現するためのものでした。

 

例えば、日本人が応募してこないような人手不足の企業の人事が、出稼ぎ留学生で埋め合わせようということを、実質的に阻止しているわけです。

ただ、この要件についても近年緩和されていて、日本の大学を卒業している留学生は、ほぼ関連性の要件は見られていませんでした。

また、母国で大学を卒業している留学生も、関連性はかなり甘くチェックされていたようです。

要は母国での学歴が高くなく、日本で専門学校に通っている学生については、出稼ぎ留学生の可能性があるため、関連性の要件を厳密にチェックする。しかし、それ以外の留学生については、卒業後は労働力として期待する。この様な運用が従来からされていたことになります。

従来から、大学生(母国大卒生含む)については、関連性の要件はかなり甘く適用されてきました。

4.新制度を創設する意味

会議室でいろいろな国籍の人たちがディスカッションをしている

今回の大学生及び院卒生が、日本語を使う環境で年収300万円以上の職場なら、関連性の要件を見ないというニュースですが、実は従来の運用内容と変わらないことを指摘しました。

重要なのは、従来は暗黙の了解だったものが、今回は明文化された制度として創設されるという点です。“マニュアル化”による効果や影響は、次の通りと考えられます。

  • 担当者の恣意性が入りづらくなる
  • 担当者の業務負担が軽くなる
  • 短大や専門学校生の関連性については、より厳密に見られる可能性がある
  • 将来的な永住権の付与まで、視野に入れている可能性が高い

※年収300万円というのは、永住権の要件にある年収要件と同額です。

なお、専門学校生については、同じ記事にこの様な内容も記載されていました。

一方、日本の専門学校を卒業した卒業生には、アニメや漫画、日本食など日本文化にかかわる仕事での在留を幅広く認める。働きたい分野の技能を専門学校で習得したことが条件だ。作品の設計や高度な業務だけでなく、背景の色塗りなど補助的な仕事も対象とする。日本文化の魅力を発信する「クールジャパン」推進へ人材を確保する。(2018/9/6付 日本経済新聞(電子版)より引用)

関連性は厳密に見るものの、従来は認めていなかった分野への就労を認める。つまり、分野の拡大について決定がありました。

 

MAKO
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さて、今回の就労ビザ付与の要件が変わるというニュースは、中間層の外国人材雇用を推進する狙いがあります。

日本政府は、従来より高度人材の外国人材受け入れを加速してきました。しかし、2018年になって、ブルーカラー分野での単純労働者としての外国人材受け入れを決定しました。

ちょうど間がぽっかりと空いていた中間層を、留学生で補うことが趣旨になります。

今回の制度創設により、留学生卒業生の雇用が毎年3万人程度は見込まれるでしょう。また、ブルーカラー分野での外国人雇用も、2025年までに50万人を見込んでいますので、いよいよ外国人材の受入が加速していきます。

日本の減少人口を、外国人時の受入により補おうという方向性は、もはや変えられることはないでしょう。

今後、国際結婚は間違いなく増えていくことになります。国際結婚に関しては、まだまだ法整備が進んでいません。将来的には、こちらも検討課題に挙がってくると思います。

 

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!