ビザ目的の結婚が怖い…やっぱり中国人は、ビザ目的の人が多いの?
残念ながら、中国人との国際結婚(特に中国人女性)は、あまり良いイメージを持っていない人も多いと思います。
確かに少し前には、多くの中国人がビザや金銭を目的として、日本人と結婚していました。
財産を根こそぎ持ってかれてしまった。
家族関係もメチャクチャに破壊されてしまった。
このような悲惨なエピソードも、探せばキリがないほど見つかりますからね。
その時の印象が根強く残っていて、いまだに中国人との結婚をそのような目で見てしまう人も多いのだと思います。
ただ、中国人がビザ目的で結婚するというのは、ずいぶん前の話ですよ!ビザ目的で日本人と結婚したがる中国人は、多くないのが現状です。
1.中国人、そしてビザ目的の結婚
(1)ビザ目的の結婚とは?
中国人に限らず、日本のビザを目的とした結婚は、少なくありません。
ビザ目的の結婚とは、簡単にいえば、次のような内容です。
- 配偶者ビザの取得 ☞日本人と結婚することで、職業の自由が得られる
- 永住ビザの取得 ☞日本人と結婚すると、永住ビザが短期に取得できる
ビザ目的の結婚の多くは、母国が発展途上国のような、経済的に貧しい国や地域の人が行う傾向があります。
貧困からの脱出を願う外国人が、日本人と結婚することでその目的を達成しようとするのです。
母国への多額の送金を伴うことが多く、生活がメチャクチャにされてしまうことも少なくありません。
永住ビザを取得したとたんに雲隠れされてしまったり、離婚を突き付けられたりするケースも目立ちますね。
♥国際結婚に潜む最大のリスク「ビザ目的の結婚」についてまとめました。
国際結婚の負の側面については、シッカリと知っておきましょう。
(2)たしかにビザ目的で日本人に近づく中国人は多かった!
かつて日本が世界第二位の経済大国だったとき、中国は発展途上国の地位にありました。
多くの中国人がジャパンマネーを獲得しようと来日したのはご存知の通りです。
真面目に働く中国人も多かったですが、残念ながらビザ目的で日本人に近づく中国人も相応の数がいたといわれています。
やがて中国が世界第二位のGDPに成長して、日本を追い抜きます。しかし、その後もビザ目的で近づく中国人の存在は確認されていました。
これは、母国と比べて快適な生活環境であったり、開かれた社会であったり、自由さや安全性という面で、日本の永住に魅力があったためだと考えられます。
明確にビザ目的で日本人に近づく中国人が減少したのは、2011年の東日本大震災がきっかっけです。
(3)日本のビザに対する魅力が半減している
先ほども申し上げたとおり、ビザ目的の結婚の目的は大きく2つです。
- 日本での就労の自由を確保すること
- 安全な日本に永住できる権利を取得すること
①については、中国の経済発展と為替相場の関係で、急激にそのうまみが失われています。日本人がお金持ち!というイメージはあるようですが、日本に来ればお金持ちになれるという神話は、すでに崩壊しています。昔よりも気軽に訪日できるようになりましたので、日本経済の実態が、中国の人にも伝わりやすくなったのです。
また、②についても、東日本大震災により、日本が災害大国であることが改めて認識されました。日本社会の快適さは魅力的ですが、安全性と天秤にかけた場合、かならずしも日本永住の価値が高いとはいえなくなってきているのでしょう。
(4)中国の経済発展と成熟
仕事でもプライベートでも結構なのですが、最近、中国に行かれたことはありますか?
日本に来ているホワイトカラーの中国人と、一緒に仕事をしたことがありますか?
今、中国のGDPは日本の何倍に達しているかご存知でしょうか?
あのような国なので、額面通りに受け取る必要はありませんが、公式発表では3倍です。
- 中国共産党のことだから、水増しした数値に違いない!
- 日本の国土の何倍あると思ってるんだよ…
- 人口だって日本の10倍じゃんか
…おっしゃることは、ごもっともです。
では、一度中国に行ってみてると良いとおもいます。それだけで、きっとすべてが解決しますから。
中国人女性との結婚は難易度が上がっています
中国人女性は、中高年の日本人男性の再婚相手として、比較的好まれてきました。
しかし、経済発展に伴い、中国人女性が日本に来るメリットは年々減少しています。
特に、都市部の中国人女性の場合、日本人男性よりも所得が多いケースだって少なくありませんので、昔とは事情がまるで異なっています。
ここ5年くらいで事情が様変わりしていますから、昔の認識の方は、そこから改めていただく必要があると思います。
ただし、中国は貧富の差が非常に激しい国です。
都市部と農村部では事情が異なります。この点については、後述します。
♥国際結婚の国別離婚率をまとめました。もちろん中国のデータもあります。
中国人女性との離婚率は、近年激減しているのが分かりますよ。
2.今、そして将来日本に滞在する中国人たち
日本にいる中国人を語る際、最も注目するべきなのは留学生です。
- 永住者に次いで構成比率が高いのが留学生
- 中国からの留学生は増加傾向
- 留学生が日本企業に就職するケースが増加
(1)中国人留学生が増えている理由
日本に留学する中国人留学生は、東日本大震災でその数は減少したのですが、ここ数年ふたたび増加傾向にあります。
中国の大学入試は、全国統一試験という形で年に1回だけ行われます。
一回限りの勝負ですから、失敗は許されません。万が一、当日に体調を崩してしまうと大惨事になるのです。
この場合には、海外の大学に活路を見出す学生も少なくありません。
また、中国人は自国のブランドを評価しない傾向が強いです。
北京大学は、中国NO1の大学ですが、「学生一流、施設二流、教師三流」と揶揄(やゆ)されているありさまです。
ですから、高校を卒業したら海外の大学に進学する中国人もいますし、自国の大学を卒業してから、海外の大学院へ進学する中国人も多いのです。
そんなわけで、かなり海外留学への熱が高いのが、中国という国の特徴といえるでしょう。
(2)アメリカ留学は超1流。日本留学は…?
超優秀なエリート中国人は、アメリカのアイビーリーグへ留学します。
では、日本へ留学に来る中国人留学生のレベルはどれくらいだと思いますか?
…意外かもしれませんが、かなりレベルの高い留学生が来日しているんですよ!
中国人留学生が、日本を留学先に選択する理由はいくつかあります。
- 東京大学がアジアで一番の大学だと思われている
- 早稲田大学には中国共産党の創設メンバーが留学していた
- 日本の文化や歴史(文明開化など)にものすごく興味がある
日本の大学がアメリカの大学とレベルで競っても、誘致合戦に負けることは目に見えています。
ところが、文化や歴史という部分にフォーカスすると、アメリカよりも優位に立てる部分があるんですね。
また、アメリカに比べて立地的に近い、文化的にも近しい、学費が安いという優位性もあります。
(3)日本の政策ともマッチしている中国人留学生
今、日本では少子高齢化の煽りを受けて、人手不足が深刻化しています。
労働生産人口は、2013年に7901万人となり、8000万人を下回りました。これは実に32年ぶりのことになります。
今後も労働生産人口の減少には歯止めがかからず、2055年には、なんと5000万人を下回ると予想されているのです。
※上記は、総務省がH26年に情報通信白書のポイントの中で開示した資料の引用です。
残念ながら、これらはほぼ確定した人口動態ですから、大きく予測と外れることはないでしょう。
緩やかにサービスの質を落としながら(たとえば、24時間365日営業をストップするなど)、なるべく生産に関するの質と量を向上させて、向かい合う必要があります。
生産に関する質と量の向上とは、以下のような内容です。
- 生産性を向上するために、働き方の改革や、AIの導入などが加速化します
- 新しい労働力(シルバー・女性・外国人)の確保を進めます
これらは、まさに今、課題先進国である日本が直面している問題に他なりません。
日本政府は、これに対していくつかの対策を立てており、その中の1つが、外国人労働力の受け入れです。
“留学生30万人計画”という国家プロジェクトをご存知ですか?
これは2020年までに留学生を30万人以上受け入れること、そして卒業生の50%以上を日本企業に定着させることを目的とした計画です。
要は、人手不足解消のための計画なんですね。
これまで、留学生をアルバイトとして活用することは進んでいましたが、卒業後の就職率は40%ほどで、正社員登用はそれほど進んでいませんでした。
これに対して日本政府は、大学を卒業して、年収300万円以上の職場に就職する場合には、就労ビザへの変更要件を緩和する方針を打ち出しました。
(4)日本は中国人を高度人材として期待している
大学卒業で300万円以上の職場に就職する場合には、就労ビザへの変更要件が緩和されることをお伝えしました。
実際のところ、外国人留学生のうち、大学へ進学できる割合は約3~4割程度です。理由は、大学進学に相応の日本語力が身につかないからですね。
ところが、中国人留学生の場合、大学・大学院への進学率は6割を超え、平均値を大幅に上回ります。特に大学院に進学する外国人留学生のうち、約9割は中国人留学生なのです。
中国人留学生は、日常から漢字を使って生活しているので、日本語習得については、他国の学生にない強みがあるんです。
“大学卒業”を強調している段階で、中国人学生の登用推進につながるということですね。
- 日本に留学する中国人は、とても優秀な学生が多い
- 日本政府は、中国人留学生が日本企業に就職しやすい環境を作っている
参考URL:一般財団法人 日本語教育振興協会
(5)中国人の留学生・ホワイトカラーでビザ目的結婚の人
日本政府からも、中国人留学生や中国人ホワイトカラーの人は、非常に高く評価され、期待されている存在であることを説明しました。
これは、彼らが優秀であるだけでなく、ビザ目的の結婚など問題視される行動を起こしていないという面が、高く評価された結果でもあります。
もちろん、彼らの全員が100%安全で、ビザ目的の結婚を考えている人は一人もいないなんて断言はできません。
しかし、「中国人=ビザ目的」という構造は、もはや現在においては成り立たないことは、まぎれもない事実なのです。
(6)今後は「介護分野」での中国人材も増加する!?
日本では介護人材不足が顕著に!
日本では高齢化社会の進行による介護人材不足が問題になっていますよね?
2025年には37万人の介護人材不足に陥るという予測もされています。
この緊急事態に対応するために、日本ではEPA(経済連携協定)、TITP(技能実習)の対象拡大、在留資格「介護」の新設、在留資格「特定技能」の創設、という形で、次々と対策を打ち出しています。
中国では高齢化社会が猛スピードで進む!
じつは、中国では日本を上回る超高齢化社会がやってくるとされています。
2050年ころには、なんと13億人のうち4億人以上が高齢者なんだとか…。
この事態に対応するために、中国では介護先進国の日本に学ぼうと、優秀な学生を日本に留学生として送り込み、技術を習得後、国に呼び戻そうとする動きが活発化しているのです。
今後は介護分野でも中国人が増える!
今後は、介護の現場でも中国人の方が、間違いなく増えます。
ほとんどの方は、先ほど申し上げたようなルートで来るので優秀な中国人だと思います。
TITPや特定技能で来る方はレベルが格段に落ちますが、おそらく裏方に回るのではないかと予想されます。
3.ビザ目的で結婚する中国人もいる?
さて、中国人がビザ目的の結婚を目的としていることは、ほとんどないことがお判りいただけたと思います。
しかし、中国はとても広く、様々な人がいるため、画一的に結論付けることがむずかしい側面があります。
あまり知られていませんが、中国では貧富の差が非常に問題になっています。
中国では農民戸籍と都市戸籍という”身分制度”があり、農民戸籍の労働力を都市戸籍が利用するという社会構造ができあがっています。
農民戸籍のうち、都市部に出稼ぎに行く人のことを”農民工”といっていますが、その延長線で日本に出稼ぎに来る人がいるのです。
彼らは「技能実習生」として来日します。お世辞にも学歴が高いとはいえず、母国では経済的に圧迫された状況であることも少なくありません。
はっきり言って、中国の人が技能実習制度を利用して来日することに、もはや旨味はありません。それでも来日する中国人は、何か深刻な事情があるか、それとも情報収集力がないかのどちらかです。
中国人の技能実習生(介護分野以外)から強引に結婚を迫られたら、ビザ目的の結婚の可能性を疑ったほうが賢明でしょう。
そもそも技能実習中は、管理団体や受入機関と、「実習期間中の婚姻禁止」の要件を盛り込んだ契約をしていることがほとんどです。
中国人はビザ目的の結婚が多い!? ~まとめ~
いかがでしたか?
大前提としてビザ目的の結婚を考える人は、発展途上国の方が多いということを理解することが重要です。
また、中国経済が現在どのような状況にあるのかを理解することも大切になるでしょう。
中国人がビザ目的の結婚を考えて近づく可能性は、一昔前に比べればほとんどなくなったといっても過言ではありません。
中国の変化スピードは、私たちが考えるよりもはるかに速いです。最新の情報にアップデートしながら、不利益を被らないようにしていきましょう!
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!