- 国際結婚して生まれた子供の戸籍はどうなるの?
- 国際結婚して生まれた子供の名字はどうなるの?
- 国際結婚して生まれた子供の名字を変更するにはどうするの?
国際結婚に関する法律って、どうなっているのかよくわからないですよね。
国際結婚して生まれてくる子供の名字がどうなるの?
これは、国際結婚を考えている人にとって、誰しもが気になるテーマだと思います。
「国際結婚して生まれた子供の名字」を理解するためには、「国際結婚して生まれた子供の戸籍」のルールを理解する必要があります。
本記事は、国際結婚に関する戸籍と名字に関して、正しく理解していただくために作成しました。
※国際結婚して生まれた子供の名字について、結論だけ知りたい方は、こちらをクリックしてジャンプしてください。
1.国際結婚して生まれた子供の戸籍はどうなる?
冒頭でもお伝えした通り、国際結婚して生まれてくる子供の名字について理解するには、「戸籍のルール」を知ることが必要です。
ここでは、国際結婚して生まれてくる子供の戸籍ルールについて、理解していきましょう。
(1)【大前提】婚姻時における戸籍ルール
日本では1つの戸籍に「夫婦とその未婚の子」の情報が記載されます。
この大原則を知っておくと、「婚姻届」を提出したときに、戸籍がどう処理されるかイメージしやすくなります。
日本の戸籍制度では、婚姻時に以下のような処理が行われます。
- 「その未婚の子」による婚姻届けの提出によって、「婚姻」が法的に受理されます。
- 「婚姻」が受理されると「未婚の子」ではなくなりますから、その子は両親の戸籍に記載されなくなります。これを「除籍」といいます。
- 「婚姻」によって「新たな夫婦」が誕生しますから、新たに夫婦となった男女(結婚当事者)の新しい戸籍が編成されます。
(2)日本人同士の結婚の戸籍編製
特別な事情がなければ、夫婦としての新しい戸籍には、旦那さんと奥さんの2人が記載されます。
婚姻届けには「戸籍の筆頭主」を記載しますが、夫婦の戸籍に記載される名字は、この戸籍の筆頭主の名字になります。
(3)国際結婚の戸籍編製
では、ここから「国際結婚をした場合の戸籍編成」について見ていきましょう。
国際結婚の場合には、戸籍の編製が、日本人同士の結婚と少し異なってきます。
なぜならば、「外国人は日本の戸籍を持つことができない」からです。
外国人が日本の戸籍を持てないということは、国際結婚をしても、戸籍に載せることができないのです。
つまり、国際結婚の場合には、日本人単独の戸籍が編製される、ということになります。
ここで少し気になる点がありますよね。
日本人同士の結婚であれば、戸籍を見れば配偶者の情報が分かります。でも、国際結婚の場合、戸籍を見ても配偶者の情報が分からないの?それって困るんじゃない?と疑問をお持ちになった方もいるのではないでしょうか?
そこはご安心ください!
日本人単独の戸籍に、外国人の配偶者についての「個人情報が記載」されるんです。
外国人配偶者の戸籍はありませんが、日本人の戸籍を見ることで、その人が国際結婚している事実と、配偶者の外国人の個人情報が分かる、という仕組みが取られているのです。
↓↓国際結婚した場合の戸籍謄本サンプルです。↓↓
まとめると、日本人同士の結婚と国際結婚では、夫婦の戸籍なのか、日本人単独の戸籍なのか、という点で異なることになります。
↓↓外国人と国際結婚した場合の戸籍の流れをまとめた図解です↓↓
♥国際結婚に関する戸籍ルールについて、より深く知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
国際結婚の戸籍ルールをまとめてみました。
関連記事 国際結婚する人が知っておくべき日本の戸籍ルールをまとめてみた
(4)国際結婚して生まれた子供の戸籍はどうなるの?
国際結婚した場合の、結婚当事者の戸籍ルールについては、ご理解いただけたと思います。
では続いて、国際結婚した夫婦の子供の戸籍についてのルールです。
原則として、国際結婚して生まれた子供は、日本人の親の戸籍に入ります(入籍)。
その理由はとってもシンプルです。
両親のうち、一人以上が日本国籍を取得している場合、子供も日本国籍を取得しますよね。
もし、子供が日本国籍を有していれば、日本の戸籍を持つことに法的な問題は生じません。
だから、子供が生まれた後、出生届を提出することで、その子が日本人の親の戸籍に編製されることになるのです。
この場合、結果として、日本人の親とその子供だけの戸籍になりますね。
2.国際結婚して生まれた子供の名字はどうなる?
ここではいよいよ、国際結婚して生まれてくる子供の名字について、解説していきます。
先ほどの戸籍ルールが理解できていると、まったく難しくありませんよ!
(1)そもそも子供の名字はどうやって決まるの?
日本では、同じ戸籍にいる人は、筆頭者と同じ名字になる、というルールがありました。
先ほど、日本人同士が結婚したケースで説明しましたが、新しく編成された戸籍に記載された夫婦は、二人とも筆頭者の名字に統一(夫婦同姓)されましたよね?
もし、この夫婦に子供が生まれたら、「未婚の子」なので「両親(=夫婦)」の戸籍に記載され、筆頭者(通常旦那さん)の名字になります。
(2)国際結婚で生まれてくる子供の名字は?
では、国際結婚で生まれてくる子供の名字は、いったいどうなるのでしょうか?
国際結婚では、婚姻時に「日本人だけの戸籍」が編製されましたよね?つまり、自動的に「筆頭者=日本人」となっているのです。
従って国際結婚で生まれた子供は、日本人親と同じ名字になります。
【夫婦同姓】日本人が改姓手続きをしている場合
国際結婚では「夫婦別姓が原則」です。
「同じ戸籍にいる人」は「その戸籍の筆頭者」と同じ名字になりますが、このルールを国際結婚に当てはめるとどうなるでしょうか?
思い出していただきたいのが、外国人は戸籍に入れないというルールです。
つまり、国際結婚の場合には、日本人配偶者と外国人配偶者は、同じ名字にはならないのです。
その解決策の1つとして「改姓手続き」があります。
「改姓手続き」とは、読んで字のごとく、「戸籍上の姓を、別の姓に改める法的手続き」のことです。
どうしても「夫婦同姓にしたい」と考える日本人が、外国人のファミリーネームに改姓手続きをするのです。
外国人のファミリーネームに改姓することで、外国人パートナーと同じ名字なります。
この場合、日本人の名字は、戸籍上も外国人配偶者のファミリーネームです。※図解の例ならスミス姓
戸籍の筆頭主の名字が外国姓になっていますので、子供の名字も、外国人配偶者のファミリーネームになります。
要は、一家全員の名字が外国人のファミリーネームで統一されるということですね。
通称名の登録は、戸籍とは関係がないため、今回のテーマとは全くの別件です。
♥国際結婚における改姓手続きについて、解説している記事です。
国際結婚は原則として夫婦別姓になるのですが……?
関連記事 知らないと後悔?国際結婚でも夫婦同姓にできる3つの方法を紹介!
【夫婦別姓】日本人と外国人配偶者の名字が異なる場合
次のパターンは、一番オーソドックスな例です。
ただ、次のテーマに続けるために、ここまでの内容の復習としてお読みください。
改姓手続きをしていなければ、日本人としての元々の名字が、そのままお子さんの名字になります。
つまり、外国人パートナーだけ、名字が違って仲間外れ!という状況になっちゃうのです。
外国は夫婦別姓も当たり前なので、気にする人は少ないと思いますが(笑)
さて、実はこのパターンは一つ問題になるケースがありまして。どういうケースかというと、「お子さんを外国人パートナーの国で育てたい」と考えている時なのです。
この場合には、お子さんの名字が日本姓であるよりも、外国姓(図解の例ならスミス)の方が都合が良いですよね。ですから、外国配偶者の母国で子育てを考えているケースだと、日本姓から外国姓に変更したい、という要望が出てくるわけです。
3.国際結婚して生まれた子供の名字を変えたい!
ここでは、生まれた子供の名字を外国人のファミリーネームに変更する方法を紹介します。
(1)お子さんの単独戸籍を作りましょう
日本人配偶者の姓は変更せず、国際結婚の夫婦から生まれた子供の姓だけを変更するには、どうすればよいのでしょうか?
じつは、同一の戸籍には、同一の名字の夫婦及び親子しか入ることができません。
つまり、従来の戸籍のままでは、子供の名字を変更することはできないのです。
そこで、子供を日本人親の戸籍から抜いて、新たにお子さん個人の単独戸籍というものを作ることになります。
お子さんの単独戸籍を作ることによって、以下の状況になります。
●日本人A:自分だけの戸籍(A)、日本姓(A)
●外国人配偶者B:戸籍なし、外国姓(B)
●お子さんC:自分だけの戸籍(C)、外国姓(B)
※日本人だけがもともとの日本姓で、外国人配偶者と子供は外国姓
補足:子供が複数いるときはどうするの?
お子さんが複数人の場合には、人数分の単独戸籍を作らなければいけません。
たとえば、お子さんが3人いれば、同じ家族であるにもかかわらず、日本人親+子供3人の計4人分の戸籍が存在することになります。
(2)単独戸籍の作り方
家庭裁判所の許可を受ける
家庭裁判所に氏の変更許可の申立書を提出し、裁判所から変更許可を受けます。
この時点ですでに国外に在住している場合には、東京家庭裁判所に必要書類を郵送することで、手続きを進めることが可能です。
日本姓から外国姓への変更は、ほとんどの場合で許可されているようです。
しかし、複合姓への変更は、認められている事例がほとんどありません。
市区町村役場への届出
家庭裁判所から氏変更の申し立てについて許可処分が降りたら、市区町村役場に行き、氏変更の許可を提出します。
そうすると、外国人配偶者の姓での、新しい子供の単独戸籍が編製されます。
国際結婚して生まれた子供の名字(戸籍)ルール ~まとめ~
いかがでしたか?
この記事では、国際結婚で生まれた子供の名字と戸籍について、お伝えしてきました。
原則として、子供の名字は日本人親と同姓になります。
結論は難しくありませんが、その理由まで抑えておくと、いろいろなケースに柔軟に対応できるはずですよ。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!