私自身国際結婚をしていますし、周囲に国際結婚しているカップルも多いです。
日本で生活していると、このような差別的思想を、意外と多くの日本人が持っているのでは?と感じる瞬間があります。
さすがに面と向かっては言われませんが、ネットでは「国際結婚=モテない負け組」みたいな声を見かけますよね。
しかし、私は「国際結婚=モテない人」説には、強い違和感を覚えます。
なんでかというと、私も若い頃は、人並みに恋愛経験をしてきたからです。
周りで国際結婚をしているカップルも、正直モテないタイプの人って少ないんですよね。
にも関わらず、周囲の目線を気にして、国際結婚に二の足を踏んだり、ネガティブなイメージを持ったりするのは、ちょっと違うんじゃないかと思うんです。
- 国際結婚をしている人は、どんな人なのでしょうか?
- 国際結婚をする人は、日本人からモテない人なのでしょうか?
今回はこの点について、検証していきたいと思います。
1.国際結婚している人は、3つのタイプに分かれます
ここでは、どんな人が国際結婚をしているのかについて、考えてみましょう。
国際結婚をしている日本人といっても、そのタイプは一様ではありません。
国際結婚した日本人を考えるには、次の3タイプに分類すると、理解しやすくなります。
- 国籍を意識せず、自然恋愛で結婚した人
- 外国人と結婚したくて、外国人と結婚をした人
- 日本人からモテないので、外国人と結婚した人
いかがですか?
同じ「国際結婚」といっても、かなりニュアンスが異なりますよね?
これをごちゃ混ぜにして「モテない人」と考えると、おかしなことになってしまうんです。
とはいっても、これだけではスッキリしないと思いますので、パターンごとに内容をご紹介しますね。
(1)国際結婚を意識せず、たまたま外国人を好きになった
パターン1では、「国際結婚=モテない人」という図式は、まったく当てはまりません。
もちろん、日本ではモテなかった人が、海外留学や赴任をしたら外国人からモテた、その結果として国際結婚した、ということもあるでしょう。
でも、それって所詮は結果論なんです。日本人からモテても、外国人からはモテない人だっていますからね。
外国人と自然恋愛で国際結婚した人に対して、「モテる・モテない」という評価をすることは意味がありません。
大切なのは、その人が自然恋愛で結婚したという事実です。その「結婚」というのが、たまたま「国際結婚」であったというだけ。
もしも、その人に「モテない」過去があったとしても、「モテない」から国際結婚をしたわけではないのです。
それを「国際結婚=モテない」と断ずるのは、なんだか因果関係がおかしいですよね!
(2)外国人と結婚したくて、外国人にアプローチした
日本人と性格的に合わない、外国人の見た目に憧れる、などの理由で、外国人との国際結婚を希望する人は少なくありません。
このケースで国際結婚した場合も、「国際結婚=モテない人」という図式は成立しません。
これだけでは「なんで?」という疑問を持たれてしまうと思いますので、私自身の経験を踏まえて解説しますね。
↓↓ 私の過去 ↓↓
私は若いころ、一応人並みには恋愛をしてきました。大学生のころは、同じサークルやクラスの女性と仲良くなった経験もあります。大学を卒業するまでに、5人の女性と交際をしました。
就職してからは仕事一筋で、プライベートを顧みない生活を送っていましたが、30代に入った頃「そろそろ結婚したいなぁ」と思って、婚活を始めました。
その時に、仕事仲間を通じた飲み会で知り合ったのが、当時大学生で11歳年下の日本人女性です。
その後、2年の交際期間を経て、彼女と結婚しました。彼女の大学卒業と同時に結婚したので、周りからはずいぶん冷やかされたものです。
残念ながら、結婚生活は長続きしませんでしたが…。
離婚してからしばらくして、7歳ほど年下の日本人女性と、お付き合いしました。
もともと仕事を通じて知り合っていた女性で、プライベートの相談をしているうちに意気投合し、お付き合いすることになったのです。
見た目がモデルのような女性だったので、当然私とは釣り合わず、デートの際には恥ずかしい思いをさせてしまったかもしれません。
ただ、この女性とも余り長続きせず、半年ほどで破局しています。
ここまでの経験を踏まえて、「ああ…たぶん自分は日本人女性と相性が悪いんだろう」と思ったんですね。だって、7人とうまくいってないんですから(笑)
それから私は外国人女性に興味を持つようになったのです。
私は東洋人の容姿が好きなので、中国人との出会いを求めました。そして今の妻と出会い、国際結婚をして、現在に至ります。
どうでしょうか?
この体験談だけを聞いて、「こいつモテないな…」と思いましたか?
私自身、モテないとは思っていませんし、そこまで女性受けも悪くないとも思っています。
なので「国際結婚=モテない人」と聞くと、「何を言ってるんだ、この人は?」と感じちゃうんですよね。
大切なのは、「外国人と結婚したいから国際結婚した」のであって、「モテないから妥協して外国人と結婚した」訳ではないということです。
外国人と結婚したいから、積極的に国際結婚を選択するという人は、じつは結構多いんですよ。
(3)日本人からモテないので、外国人と結婚した
パターン3は、中高年の日本人男性がほとんどです。
国際結婚相談所ってご存知でしょうか?
国際結婚相談所とは、普通の結婚相談所と異なり、日本人と外国人の国際結婚(特に日本人男性×外国人女性)を専門に紹介する結婚相談所のことです。
お相手の外国人女性は、日本に比べると経済的に未発達な国の人であることが多いです。
近年人気の国は、ベトナム・フィリピン・タイ・中国(地方の農村)あたりでしょうか?
国際結婚相談所のHPを見ると、婚期を逃した日本人男性の心を揺さぶるようなセールスコピーが並んでいます。
- 年の差なんて無問題。若くてかわいい外国人の奥さんをゲット
- 日本人なら嫌がる職業も、外国人なら受け入れてくれるYO!
こうしたセールスコピーが刺さる人も、中にはいるのでしょう。
ウェブサイトには高年齢の日本人男性と、若い外国人女性の成婚写真が、所せましと掲載されています。
パターン3で国際結婚相談所を利用する人は、日本人との結婚が自身のステータス的に厳しいと感じ、外国人女性とのお見合を決心した人がほとんどです。
その意味では、パターン3については、たしかに「モテない」人が多いのかもしれません。
ただ、パターン3ですらも、「国際結婚=モテない人」とは言い切れない側面があります。
2.日本でモテなくても、海外ではモテる…ことも
なぜ自分の両親と同じくらいの年齢の日本人と結婚するのか?
どうして日本の農村にも嫌な顔をせずに嫁いでくるのか?
ここには、やはり「お金」が絡んでいます。これは仕方がないことですね。
とはいえ、最近はアジア諸国も経済発展の最中にあり、昔ほど日本との経済格差が絶対的なものではなくなってきました。
つまり、日本人男性との結婚理由も、お金だけが理由ではなくなっているということです。
では、そのような外国人女性は、お金以外に何を日本人男性に求めているのでしょうか?
実は、日本人男性の「優しさ」や「誠実さ」を求めて、相談所に登録する外国人女性が増えているんですよね。
国や地域によっても異なりますが、旦那はまったく働かずに昼間っから飲んでばかり。家計を支えるために働くのは妻の役割だ。そんな価値観の国もあります。
他にも、男の浮気は当たり前という国や、家庭内暴力・DV・モラハラ無法地帯!という国もあるようです。
この様な地域から見ると、真面目で礼儀正しく勤勉といわれる日本人男性との結婚は、とても安心できるものなのかもしれません。
これは日本人男性の「人柄」を見て結婚する外国人女性が増えていることを意味します。
現地の男性と結婚することに失望した、または失敗した外国人女性が、「お金」もそこそこあり、「優しく、誠実」な人柄である日本人男性との結婚を望んでいるということです。
日本人からモテなくても、優しく誠実であれば、外国人からはモテる…かも知れませんね。
さて、日本人からはさっぱりモテなかったあの人が、国際結婚相談所に登録した。
そして、若くて美しい外国人女性と国際結婚をした。
「国際結婚=モテない」……これについて、今、あなたはどう感じていますか?
3.「国際結婚=モテない」は、外国人に対する偏見
「国際結婚=モテない」という図式は、必ずしも正確ではないことをお伝えしてきました。
ところで、「国際結婚=モテない」という価値観は、どのような思想や感情に基づいて、生まれてくるのでしょうか??
「国際結婚=モテない」という価値観は、「国際結婚=負け組」「国際結婚=周囲から見下される対象」と言っているとほぼ同じですよね。
「国際結婚が負け組・周囲から見下される」…って、「外国人は自分より下の存在だ」「外国人よりも日本人の方が優れている」という思想・感情に基づいているのではないでしょうか?
つまり、「国際結婚=モテない」と公言する人は、外国人蔑視のレイシスト的思考に支配されている可能性があるということなんです。
「国際結婚している奴は、大体モテない奴w」
一見すると国際結婚した日本人を馬鹿にしているように聞こえるのですが、実は外国人への差別感情から来ていて、外国人を馬鹿にしている発言なんですよね。
「日本の経済的優位性」を持ち出して、経済的に劣る国から来た外国人を、日本人より下に見る。その外国人と国際結婚した日本人を、自分より下に見る。
おそらくこのような思考プロセスだと思います。
こうやって自分のプライドを守り、アイデンティティを維持しているの…かなぁ?
日本経済のプレゼンスがますます相対的に低下したら、今度は「文化成熟度ガー」とマウントを取り始めるんだろうなぁ。
一方で、国際結婚の当事者は、日常生活で日本人とか外国人とかを、特別に意識している人は少ないです。「外国人パートナー=家族」ですからですね。
生活を共にする「家族」の国籍なんて、いちいち気にしませんよね。仮に国籍が違っても、彼・彼女は「家族」であって、特別な「人」なのですから。
だから、外国人を差別する感情なんて、日々の生活の中では、持ちようがないのです。
- 外国人を落として、日本人を上に見る。国際結婚した人を落として、自分を上に見る人。
- 国籍というラベルではなく、「人」対「人」の付き合いを大切にする人。
おそらく本人に外国人差別の意識はないと思います。なぜならば自分の価値観や常識を正しいものである、と疑っていないからです。
己の常識を疑わず、結果として外国人差別や蔑視に加担していることは、端から見ていて悲しさや危うさを感じます。
あり得ないとは思いますが……もし、この感覚が日本人の多数派であるならば……日本はこの先もどんどん世界から置いていかれますよ。
4.国際結婚をしている人はモテないのか?~まとめ~
この記事では、「国際結婚=モテない」という意見を考察してみました。
簡単にまとめると、次のようになると思います。
- 「国際結婚=モテない」は因果関係がおかしい
- 「モテる・モテない」は国際結婚と切り離して、個人レベルで語るべき
それからもう一つ大切なこと。
「国際結婚=モテない」という価値観の根本は、外国人に対する差別思想です。
もしかしたら、この記事を読んでいる人の中には、これから国際結婚をしようか、と考えている方がいるかも知れません。
そのような方がいれば、余計なお節介かも知れませんが、一つアドバイスをさせてください。
「国際結婚=モテない・負け組」という考えが少しでもあるならば、冷静に考える期間を作ってから、国際結婚した方が良いかもしれませんよ。
答えは単純で、国際結婚をしてもうまくいかない可能性が高いからです。
心のどこかで「外国人を下に見てしまう」のに、外国人と結婚して、幸せな国際結婚生活を送れるはずがありません。
恥ずかしながら、若い頃の私は「国際結婚=モテない・負け組」という考えがあったように思います。でも、ビジネスで多くの外国人と触れあう中で、そのような考えはいつの間にかなくなっていったんです。
もしも「国際結婚=モテない・負け組」という価値観を払拭したいなら、たくさんの外国人と接することがオススメです!
色々な外国人と接することで、自然に外国人と付き合う感覚が身につくはずですよ。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!