ここ最近、国際結婚は減少傾向だ、ということを知っていましたか?
2006年をピークに、国際結婚の件数と全体に占める割合は、減少を続けているんです。
…いいえ。
今後、国際結婚は間違いなく増加傾向に転じていくと断言できます。
また、国際結婚に対するイメージや、結婚自体の中身も少し変わってくると思います。
おおげさではなく、国際結婚に関しては、まさに時代の転換点にあるといえるでしょう。
国際結婚に興味がある方にとっては、おそらく追い風になるはずですよ。また、今は興味がない方も、選択肢の一つとして考えることは、損ではありません。
とはいうものの、根拠がなくては、とても信じられないお話ですよね。そこでこの記事では、国際結婚が増加する3つの理由をお伝えしていきます。
◆ 国際結婚減少の現状と、その要因について解説します
◆ 国際結婚が上昇に転じる根拠を、3つの観点から説明します
- 政策の観点
- 知り合う方法の多様化の観点
- 潜在的ニーズの観点
1.国際結婚数は10年ほど減少傾向
毎日会っているよ! という方だって、少なくないと思います。
インバウンドの数は、過去最高を更新し続けていますよね。
2018年は初めて3000万人を超えるインバウンドが来日し、政府は2020年に4000万人のインバウンド来日を目標に掲げています。
実は留学生や技能実習生も、年々増え続けていて、いまや日本の経済にとって欠くことができない働き手になっています。
留学生は2020年までの留学生30万人計画が達成間近で、今後、日本企業へ就職する学生もますます増えていくことでしょう。
それでは、国際結婚はどうなのでしょうか?
一時、国際結婚の数が爆発的に増えたことがあり、そのイメージからか、外国人の数が増え続けているのだから、国際結婚も増えている!と思われているようです。
まずは、こちらのグラフをご覧ください。
特に東日本大震災以降、国際結婚数が大きく減少していることが、明らかになる資料です。
日本人同士の婚姻数も減少していますが、国際結婚の減少幅のほうが大きいですよね。
では、続いてこちらのグラフもご覧ください。
国際結婚率は、2006年の6.1%をピークに減少し、近年は3%台で推移しています。
国際結婚をするカップルの割合は、2006年では16組に1組でしたが、近年では婚姻数全体のうち約30組に1組にまで減少しています。
国際結婚が減少している原因は?
国際結婚が減少していることは、ご理解いただけたと思います。
それでは、なぜ国際結婚が減少してしまったのでしょうか?
当時、フィリピンパブが大変盛況だったのをご存知でしょうか?
バブル期ころからフィリピンパブが急激に増加し、最盛期の年間8万人ものフィリピン人女性が、日本に出稼ぎにやってきていました。
この時、『興行ビザ』で来日する女性が多かったのですが、『興行ビザ』では接客に従事することはできません。
しかし、多くのフィリピンパブが入管法を順守せず、フィリピン人女性を『接客業』に従事させていたのです。
その結果、多くのフィリピン人女性と日本人男性が、夜の街を接点に交流する機会が生まれ、それはいくつかの問題を引き起こしました。
たとえば、日本人男性が金銭を支払うことにより、フィリピン人女性を”モノ”のように扱うという人身売買的行為も散見されました。
また、家庭を捨てて、フィリピン人女性と結婚するケースも多く、また、実態は把握できていませんが、ビザを取得するための偽装結婚も多かったといわれます。
そんな中2004年、日本はアメリカから人身売買容認国として、名指し批判されるのです。
国連安保理の常任理事国入りを狙っていた当時の小泉首相は、さっそく対応を図り、入管法を改正します。
以降、フィリピンパブの問題は解決され、急速にその勢力は衰えていきました。
さて、2006年に国際結婚数がピークを迎えていましたよね?
これは、入管法の改正によるビザ発給厳格化前の、駆け込み需要によるものです。
さらに2011年、東日本大震災の影響で、そこから偽装結婚が減少しました。
参照URL:法務省「人身取引対策等」(外部リンク先にジャンプします)
2.今後は国際結婚数が増えるという3つの理由
それでは、今後の国際結婚数はどうなるのか? という話に移りましょう。
国際結婚数の減少は、どこかで必ず底を打ち、増加に転じるであろうと思われます。
その理由としては、大きく3つが考えられます。
- 日本の外国人労働者に対する政策
- 外国人と出逢う手段の多様化
- 国際結婚に対する潜在的なニーズ
ここからは、この3つの理由について、一つずつ見ていきましょう!
理由1 国策として多くの外国人を受け入れている
現在、日本では労働力となる人手不足が、大変問題となっています。
雇用動向を示す有効求人倍率が、2017年に44年ぶりに1.5倍を超えた!と大きく報道されました。その後も有効求人倍率は緩やかに上昇を続け、2018年に入ると、1.6倍にまで達しています。
有効求人倍率は、『景気と連動してポイントが変動する』といわれてきました。2017年時点では景気回復をうたうメディアも多かったように思います。
ところが、どうもおかしい。次第に『実感なき景気回復』というキャッチフレーズが浸透し始め、どうやら今回の有効求人倍率の変動は、景気との相関関係が大きくなさそうだと、ようやく国民が気付き始めました。
そうです。高い求人倍率の原因は、少子高齢化による労働生産人口の減少なのです。
労働生産人口は、2013年に7901万人となり、32年ぶりに8000万人を下回りました。
2060年には、約4400万人にまで減少すると予測されています。
※上記は、総務省がH26年に情報通信白書のポイントの中で開示した資料の引用です。
もしも、供給サービス量を減らさないまま、労働力が減少したらどうなるでしょうか?
そんなことになったら、とんでもなく過酷な労働環境になってしまい、日本人で働きたいという人が誰もいなくなってしまいます。
ですから、緩やかにサービスを減らしつつ、労働力不足には以下のように対処します。
- 労働者の生産性を向上させる(働き方、AI導入など)
- 新しい労働力の確保(女性・高齢者、外国人労働者など)
これらは、まさに今、課題先進国である日本が直面している問題に他なりません。
日本政府は、これに対していくつかの対策を立てており、その中の1つが、外国人労働力の受け入れです。
まず、高度人材を日本に定着させ、日本の労働生産性を高めようとしました。
2017年には、日本版グリーンカードともいうべき、制度が立ち上がりました。
一定の要件をみたした高度外国人材への優遇措置のことです。
1年間の滞在で永住許可を与えるうえ、家族も招聘できるという制度を作りました。
次に進めているのが、ブルーカラー労働者の受け入れです。
2019年4月に新しい在留資格が創設されますが、実質的には、技能実習制度を拡大する内容と考えられます。
大きな特徴は、単純労働と考えられていた活動が可能になることでしょう。
農業・介護・建設・造船・宿泊などの分野について、外国人労働者の受け入れが始まります。
介護については、EPAによる外国人受入では足りず、新しい在留資格を作ったばかりのことで、相当な人手不足であることがうかがえます。
また、今後は留学生の有効活用も議題に上がってくるでしょう。
留学生が増えているのは、留学生30万人計画というプランが要因です。
もともとこのプランは、卒業後に50%以上の学生を日本企業に定着させることを目的としていました。
要は、労働力不足解消のための計画なんですね。
現時点では、アルバイトとしての活用は進んでいますが、正社員登用はそれほど進んでいません。
留学ビザから就労ビザへの変更要件緩和など、優秀な人材の活用に向けた政策が打ち出されることが予想されます。
このように、日本は国として外国人材を受け入れる道を選択しました。
もちろん、外国人と触れ合う機会も増えますから、友人関係や恋愛関係に発展するチャンスだってあるでしょう。
外国人同士の結婚も含め、国際結婚が増えていくことは間違いありません。
これらの話は、内閣府が公表しているこちらの資料が分かりやすいです。
大量のブルーカラー外国人の受入は、国内の混乱を引き起こします。
これは、欧州の移民政策が失敗したことからも明らかです。とくに3K分野への外国人受入は積極的に進めるべきではありません。
低賃金での労働をする外国人への蔑視や差別は、いずれ彼らの反日感情を生み、日本の治安が一気に悪化します。
政府も、それが分かった上での苦渋の選択だと思います。
今までは、高度人材にこだわってきました。しかし、もはや労働力不足の問題が臨界点を迎えたということでしょう。
ここにきて、一気に外国人労働者の受入分野を広げてきています。
これは、日本政府として、積極的に外国人ブルーカラーを受け入れているわけではないことを示しています。
つまり、何か代替案があれば、ブルーカラー労働者の受入は鈍化するということです。何かあっても、外国人ブルーカラー労働者を積極的に守ろうとする立場ではないということです。
たとえば、AIによる業務自動化が進めばどうでしょうか?
恐らく、外国人ブルーカラー労働者の必要性は一気に薄れることでしょう。
そうなった時、外国人ブルーカラー労働者はどうなるのでしょうか?行き先を失った外国人たちは、どこに行けばいいんでしょうか?
技能実習ビザは、外国人ブルーカラーの日本滞在を最長5年しか認めていません。なぜだかわかりますか?
日本政府は、労働者として一定期間は受け入れるけど、高度外国人材以外は、定住を許可しないという方針であるためです。
期間を限定してブルーカラー労働者を受け入れる政策は、技能実習のほか、留学生でも運用されています。いわゆる出稼ぎ留学生です。
外国人材の使い捨ては、人道的にも許されるものではありません。長期的に見れば、日本のプレゼンスを低下させ、国益も損ねるものです。
恐らく経団連の絡みだと思いますが、政府には、よくよく将来を見据えた舵取りをお願いしたいと思います。
理由2 外国人との出逢いの方法が多様化している
語学力があれば、海外に留学したりワーキングホリデーに参加したりすることで、外国人と出逢うことができるでしょう。
一番オーソドックスな方法ではあるのですが、資金的・時間的・年齢的な制限も多く、なかなか実行できない方も多いと思います。
たとえば、観光地で外国人向けガイドのボランティアに応募する。
語学教室に通ってみる。外資系企業に就職してみる。などなど。
たとえば、外国人専門の国際結婚相談所に登録してみる。
マッチングアプリのサービスを使ってみる。などなど。
一昔前に比べれば、出逢いのシーンは格段に増えたと思います。
国際結婚したいという強い気持ちがあれば、実現できる舞台は整っていますよ。
https://kokusaikekkon7.com/meeting-couple-foreigner/
理由3 潜在的に国際結婚へ興味がある人の割合が高い
さきほど、国際結婚しているカップルの割合は、約30組に1組と紹介しましたよね?
では、潜在的に国際結婚に興味がある方は、どれくらいいると思いますか?
ある民間企業が、20代と30代の独身男女1516人を対象に、国際結婚に対する関心度について、アンケートを実施したことがあります。
結果、男性は63.3%、女性は69.9%もの方が、国際結婚に興味があると回答しました。
どうですか?
思ったよりも高い数値ではありませんでしたか?
実際の国際結婚は、30組に1組が現状ですが、潜在的なニーズは強いものがあるんです!
ちなみに、国際結婚は「なし!」と答えた理由で多かったのは、次の2つです。
①文化の違いが大変そう
②言葉の壁が厚そう
https://kokusaikekkon7.com/hardships_international_marriage/
https://kokusaikekkon7.com/nece_fl/
3.国際結婚の将来像は…? 近い将来、増加傾向に。
いかがでしたか?
もともと日本人の中で、国際結婚の潜在的なニーズは高いのです。
そこに加えて、国の外国人受入政策による外国人の増加が見込まれ、出逢いの手段の多様化による両者のマッチング環境の整備も進んでいます。
たしかに、長いあいだ国際結婚は減少トレンドでしたが、近い将来どこかで必ず上昇に転じるタイミングがあります。
国が外国人の受入方針を転換しない限り、国際結婚の増加トレンドは継続するでしょう。
国際結婚が当たり前になる時代が、すぐそばまでやってきているのです。
国籍に縛られない自由な結婚ーーー
そんな未来を、あなたの選択肢に加えてみては、いかがでしょうか?
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
https://kokusaikekkon7.com/first_knowlege_of_international_marriage/