現在、国際結婚の比率は、婚姻届出数全体のうちの約3%、つまり約30件に1件の割合で国際結婚が生じている計算になります。
では、国際結婚をする人って、男性が多いのでしょうか?女性が多いのでしょうか?
男女比率はどれくらいなのでしょうか?
データから見えてくる意外な事実もありますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね!
国際結婚する日本人男性と日本人女性の数と比率
これを見ていただければ一目瞭然ですが、国際結婚をしている日本人は、圧倒的に『男性』の方が多いです。
1975年の段階では、国際結婚をしている日本人の男女比率は、ほぼ1対1です。1975年の男女出生比率は、106対100でしたので、出生比率と国際結婚比率がほぼ同数値だったので、とても自然な状態という事ができるでしょう。
ところが、近年では、出生比率は変わっていないにもかかわらず、国際結婚の男女内訳比率だけが、約7対3という状況になってしまいました。
総務省の統計によれば、男性人口6,160万人に対して、女性人口6,500万人ですから、女性の方が人口が多い(高齢者まで含めれば、ですが)のです。
日本人女性に比べて、いかに日本人男性が国際結婚する割合が高いのか、ということがよく分かります。と同時に、これはかなり不自然な状態であることにも、気が付きますよね?
なぜ日本人男性の国際結婚件数と比率が増えたのか?
1975年までは、国際結婚の男女比率は、ほぼ男女の出生比率とイコールだったのに、なぜ現在では、7対3という状況になっているのでしょうか?
当たり前の話ですが、これは次の2点が男女の国際結婚比率の乖離原因となります。
- 日本人男性と外国人女性の国際結婚を、加速させる要因があった
- 日本人女性と外国人男性の国際結婚も増加したが、上記に比べて弱かった
(1)日本人男性の国際結婚数が激増した要因
グラフを見ていただければわかりますが、1985年から急激に国際結婚が増えています。
1985年と言えば、ちょうど日本経済がバブル期に入る手前の時期ですよね。
当時、いったい何が起こったのかというと、景気が良くなり、人も金も”回り”が良くなりました。具体的には、次のような変化が起こったのです。
- 駐在員として海外に派遣される日本人が増えた
- ジャパンマネーを求めて来日する、外国人労働者が増えた
- 日本人と結婚したいという、外国人女性が増えた
要因1 海外駐在員が増え、国際結婚増加につながった
独身のビジネスマンが海外駐在員になると、国際結婚につながりやすくなります。
現地基準でいえば、かなりの額の給与を受け取ることになりますし、精神的な余裕もでてくるでしょう。オフィスでの出逢いもさることながら、プライベートでの出逢いも充実します。
実際、接待の場面などでも、かなりの羽振りの良さだったはずですから、近づいてくる外国人も非常に多かったでしょう。
バブル期の海外進出は、女性よりも男性の方が多かったですので、日本人男性の国際結婚数増加につながった大きな要因と考えられます。
要因2 ジャパンマネーを求めて来日…国際結婚増加につながった
バブル期から少し遅れて、多くの外国人が日本にやってくることになりました。
『日本人は金持ちだ!日本に行けばお金持ちになることができる!』
“ジャパニーズドリーム”という言葉が生まれるくらいに、当時の日本は外国人にとって魅力的な国だったのです。
こうして、多くの夢見る外国人が、大挙して日本に出稼ぎにくることになりました。
語学教師など、真面目に働いて生計を立てる外国人も多い一方で、法の網をかいくぐるような方法で、日本に滞在する外国人が目立ち始めたのもこの時期ですね。
特に夜の街で働く外国人の中には、『興行ビザ』という在留資格で来日したにもかかわらず、接客・接遇業務に従事し、本来の目的とは異なる目的で活動する者も多かったのです。
当時の日本人ビジネスマンは、夜遊びも仕事の一環でしたから、外国人女性との出会いも増えていきました。
彼女たちの中には、金銭目的や配偶者ビザを目的として日本人男性と結婚する、いわゆる”偽装結婚”を行う女性もおり、日本人男性やその家族に被害をもたらすケースが少なくありませんでした。
外国人が増えることで、トラブルが表層化し、外国人に対するイメージが大きく下がったのもこの時期です。
2005年の入管法改正まで、こうした外国人との国際結婚は増加し続けました。
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要因3 国際結婚相談所の存在が、国際結婚増加につながった
バブルが弾けても、2010年に中国から追い抜かされるまで、日本は世界第二位の経済大国であり続けました。
かつて程の栄華ではないにせよ、開発途上国の外国人の中に、日本人との結婚を夢見る人が多くいたことは、簡単に想像できると思います。
21世紀に入ろうかという時、これに目を付けたビジネスが、国際結婚相談所(いわゆる業者婚)です。
経済発展とともに、地域社会との関連性が、急速に失われていった日本社会。核家族の崩壊もあって、親族や知人の紹介によるお見合いは、ものすごい勢いで姿を消しました。
当初、外国人を専門とする国際結婚相談所の利用は、心理的なハードルが高かったはずですが、急速なITの発達とインターネットの普及は、このハードルを下げることに成功しました。利用者が急増した要因には、こうした時代背景もあると考えられます。
また、当時はまだまだ男性社会でしたから、稼ぎのある日本人男性と、外国人女性の国際結婚が中心になることは、時代の流れであったといえるでしょう。
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(2)日本人女性の国際結婚も、わずかに増加した要因
日本人女性の国際結婚数も、1980年~2005年頃まで、日本人男性ほどではありませんが、増加傾向であることが分かります。
要因1 海外留学の増加が、国際結婚増加につながった
長らく男性中心の社会であった日本。
女性はビジネスの世界で活躍する場を与えられず、外国人と知り合うのであれば、海外に留学するなど、機会が限られていました。
※出典:文部科学省HP
ただ、バブル経済は家庭の財政状態を豊かにし、海外留学のハードルが大きく下がります。
海外コンプレックスの強かった当時の日本では、海外留学が一種のステータスのように扱われ、1985年から10年ほどの間に、日本人の海外留学は約4倍にも伸張したのです。
ビジネスによる海外交流が少なかった日本人女性の国際結婚数増加は、海外留学の増加が後押ししたと考えられます。
留学は国際結婚との相関関係が大変強いです。
日本人の海外留学数と、国際結婚届出数は、見事なまでにリンクしていることがわかるでしょう。
…ところで、日本に来ている外国人留学生が、過去最高人数を更新し続けているって、ご存知でしたか?
要因2 ジャパンマネーを求めて来日…国際結婚増加につながった
バブル期の日本経済は、飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
ニューヨーク、ロンドンと並び、”TOKYO”は世界三大金融センターの一つに数えられていました。もちろん、多くの外国企業が商機を逃すまいと、日本に進出してきたのです。
また、日本企業の海外企業買収(M&A)も活発に行われ始めた時期で、外国人と仕事上の交流が増えたのが、まさにこの時期でしょう。
また、経済の発展に伴い、外国語学習のニーズが高まると、海外から語学講師としてやってくる外国人も増加しました。
プライベート、ビジネス、スキルアップ…いずれの場面を切り取っても、外国人が以前よりも身近になり、国際結婚へとつながる機会も増えたといえます。
要因3 女性の社会進出が、国際結婚増加につながった
近年、男女雇用機会均等法の整備もあり、ようやく女性の社会進出が進んできました。
女性の雇用が進むにつれ、同時に経済的に自立した女性も、少しずつ増加しています。
経済的に自立した女性が増えれば、国際結婚を望む女性が、その望みを実現することができるようになるわけです。
今までは、望んでも国際結婚できなかった女性が、自立したことで国際結婚できるようになった。その結果、国際結婚する日本人女性が増えた、というロジックです。
国際結婚する日本人男女の数と比率 ~まとめ~
いかがでしたか?
国際結婚している日本人は、女性より男性の方が圧倒的に多かったんですね!
歴史的に見ると、ジャパンマネーが国際結婚増加につながっていたことは、疑いようもない事実です。
なぜ日本人男性の方が国際結婚に走りやすいのかも、見えてくる部分があったのではないでしょうか?
今後は、ジャパンマネーではなく、ジャパンカルチャーを目的に来日する外国人も増えると思います。国際結婚にどのような影響を及ぼしていくのか、この後も目が離せませんね!
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