もちろん、離婚する際には離婚届の提出、死別したのであれば死亡届の提出など、日本人と変わらない手続きが必要になります。
それ以外にも、国際結婚ならではの手続きがありますので、この記事ではその内容を紹介していきますね。
どのような手続きが必要になるのかは、あなたの在留資格等によって異なります。
この記事で説明する内容は、次の在留資格等の方が対象になります。
日本人の配偶者と離婚又は死別をし、かつ、
- 在留資格「家族滞在」で滞在している外国人
- 在留資格「日本人の配偶者等」で在留している外国人
- 在留資格「永住者の配偶者等」で在留している外国人
※いずれも「配偶者(妻or夫)」として在留している場合のみ
※平成24年(2012年)7月9日以降に、現在の在留資格を取得、または現在の在留資格への変更(期間延長含む)を行った場合のみ
上記に該当する方は、主に2つの手続きを行う必要がありますよ。
- 離婚等が生じた日から14日以内に届出
- 適切な在留資格へ6ヵ月以内に変更
どちらの手続きも、万が一失念した場合には、取り返しがつかないことになりかねません。
大変な時期でありますが、ぜひ適切な処理を行い、乗り切ってください!
※信頼できる行政書士をお探しの方は、以下の関連記事を参考にしてください。
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手続1.離別後、14日以内に「配偶者に関する届出」
配偶者と離婚または死別をした場合には、14日以内に「配偶者に関する届出」を提出して、その事実を報告する義務があります。
これを怠ると、非常に重い罰則が科される可能性があります。
(1)「配偶者に関する届出」の手続き内容
届出を行う人
「配偶者に関する届出」は、原則として、外国人本人が手続きを行います。
ただし、外国人本人以外が代理で提出することも可能です。
この場合、届出書に外国人本人のサインと、届出人の氏名・住所・当事者との関係を記載してください。
なお、電子申請を行う場合には、外国人本人が行う必要があります。
必要な書類等
「配偶者に関する届出」の手続きを完了させるには、以下の2つが必要です。
- 配偶者に関する届出書(A4プリントアウトで、実際に提出可能です)
- 在留カードの提示(郵送の場合にはコピーの提出)
なお、①の「配偶者に関する届出書」は、「日本語または英語」で記載してください。
届出方法
「配偶者に関する届出」の届出方法として、3種類の方法が認められています。
- 窓口に持参する ☞最寄りの地方出入国在留管理庁 または 外国人在留総合インフォメーションセンター(いずれも出入国在留管理庁HPへのリンクです)
- インターネットで届け出る ☞出入国在留管理庁電子届出システム(利用者登録が必要です)
- 書類を郵送する
☞(郵送先)〒108-8255 東京都港区港南5-5-30
東京出入国在留管理庁在留管理情報部門届出受付担当 御中
※封筒の表面に朱書きで「届出書在中」と記載してください。
(2)届出を行わないとどうなるの?
もし、配偶者と離婚・死別後14日以内に、「配偶者に関する届出」を行わなかった場合、20万円以下の罰金が科される可能性があります。
可能性は大変低いですが、住所地等で虚偽の申告を行った場合には、1年以下の懲役が科されることになり、強制退去処分になることもあります。
仮に上記の罰則を免れたとしても、今後の在留資格の変更や期間の延長の際に、不利な影響を及ぼすことは確実です。
「配偶者に関する届出」は、かならず行うようにしましょう。
手続2.離別後、6ヵ月以内に「在留資格変更手続き」
今までは「○○の配偶者」として日本に滞在していましたが、配偶者の方と離別しましたので、在留資格を変更する必要があります。
在留資格の変更は6ヵ月以内に行うこととされていますよ。
(1)変更後の在留資格について
どの在留資格に変更するのかについては、あなたの状況に応じて適切な在留資格に変更することになります。
各在留資格には変更の要件がありますので、どの条件をみたしているのか、確認してください。
なお、「配偶者に関する届出」を行っていない場合には、要件をみたしていても、在留資格の変更申請が不許可になることがありますよ。
パターン1 就労ビザへ変更する
たとえば「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザへ、変更することが考えられます。
就労ビザへの変更は、すでに仕事に就いている、または仕事に就けることが条件です。
ただし、学習または職務経験と業務内容との「関連性要件」や、母国または日本の大学を卒業している「学歴要件」が問われることもあり、それなりにハードルは高いです。
現時点では、外国人の単純労働は認められておりませんが、2019年4月には単純労働分野に従事できる「特定技能ビザ」が創設され、ハードルが下がることが予想されます。
https://kokusaikekkon7.com/foreign_worker_tokuteiginou1/
パターン2 経営・管理ビザへ変更する
経済的にゆとりがある方は、経営・管理ビザへ変更し、経営者として日本への在留を継続する選択肢があります。
パターン3 留学ビザへ変更する
婚姻しているときに専門学校や大学に通っていたのであれば、離別後は留学ビザへ変更すれば良いでしょう。
ただし、就労に関しては、資格外活動許可を得ることで、週28時間以内(長期休暇中は週40時間以内)のアルバイトしかできません。
生活費や学費をどうするのかについては、事前に計画を立てておく必要があります。
https://kokusaikekkon7.com/student-employment/
パターン4 定住ビザ(離婚定住)へ変更する
次のいずれかの要件をみたす場合には、在留資格「定住者」への変更が可能なことがあります。
- 婚姻していた期間が3年以上だった場合
- 日本において養育すべき実子がいる場合
上記に加え、一定の収入や資産があることが必要です。
「日本において養育すべき実子」とは、「子供(実子)の親権を持っていること」と「出生時にそのこの両親のどちらかが日本国籍であること」という要件をみたしたケースです。
定住者の在留資格に変更できた場合、大きなメリットが2点あります。
- 就労に関する制限がない(日本人/永住者の配偶者等と同様)
- 「日本人/永住者の配偶者等」の期間+「定住者」の期間が5年以上で、永住ビザの申請が可能になる ※永住申請時点において、「定住ビザ」の許可されている在留期間が3年または5年であることが必要
永住ビザを申請する場合には、上記以外にも必要な条件がたくさんあります。
https://kokusaikekkon7.com/eiju_conditions/
(2)在留資格の変更を行わないとどうなるの?
離別後6ヵ月を超えても、在留資格の変更を行っていないことが発覚した場合は、正当な理由がある場合を除き、在留資格の取消しの対象になります。
正当な理由には、以下のような事由が該当します。
- 配偶者からのDVが原因で、避難や保護が必要な場合
- 子供の養育費等のため、配偶者と別居してるが、生計を一にしている場合
- 本国の親族の疾病などにより、長期の出国をしている場合
- 離婚調停・離婚訴訟の最中である場合
正当な理由があれば、6ヵ月を超えても、他の在留資格への変更が認められることがあります。
(3)変更するべき在留資格がない場合
もしも、適合する適切な在留資格が存在しない場合、帰国を余儀なくされます。
離婚をお考えの場合には、離婚後に相談するのではなく、離婚前に相談しておいた方が良いでしょう。
※信頼できる行政書士をお探しの方は、以下の関連記事を参考にしてください。
外国人が離別したら行うべき2つの手続き ~まとめ~
いかがでしたか?
離婚や死別をした場合、何をするべきなのかについて、お判りいただけたでしょうか?
「配偶者に関する届出」は、手続きそのものはシンプルです。ただ、14日以内に提出することを知らないと、後々大変なことになる可能性があります。
また、「在留資格の変更」も、最悪帰国を余儀なくされる事態につながりかねない重要なものです。
いずれも、離別した場合にはどうなるのかについて、離別前に考えておくことが重要です。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!