国際結婚を考えてるんだけど、ビザのことが難しくて困ってるんだよ…
国際結婚をするならば、ビザの知識は必要不可欠なんですが、とにかくわかりづらい(笑
しかも、国際結婚の目線で必要になるビザの知識をまとめているサイトは、私が知る限りはありませんでした。
ないなら作っちゃえ!ということで、まとめてみたのが、今回の記事です。
◆ ビザと在留資格を比較し、在留資格に関する正確な理解をしましょう。
◆ 婚活で知っておくと良い在留資格を、職業の観点から解説します。
◆ 国際結婚後のために、知っておくべき在留資格を2種類紹介します。
ビザってなに?
ビザとパスポートの違い
ビザ(査証)とは、日本に上陸するための許可証のことをいいます。
よく混同されるものにパスポート(旅券)があります。
パスポートは、自国政府が発行するものです。
その役割は、渡航者の国籍及び身分の証明になります。
では、ビザとはいったい何なのでしょうか?
ビザは、渡航先国の政府が発行するものです。
その役割は、渡航者の入国許可証になります。
※渡航前に、自国内で渡航先国の大使館に行って取得します。
※観光・商用・留学・就労などの種類があります。
海外渡航するためには、普通はビザが必要
このように、相手国からの入国許可証がビザになりますから、原則として、渡航する人は全員が渡航先国のビザを事前に取得している必要があります。
ただ、その国の信用度により、ノービザでの渡航が可能な国もあります。
つまり、パスポートを見せるだけで、入国可能な国があるということです。
外部リンク:パスポートランキング(提供:ヘンリー&パートナーズ社)
在留資格ってなに?
在留資格とは?
ビザと混同しがちな概念として、在留資格というものがあります。
専門用語ですので、在留資格…なにそれ?という人もいるかもしれません。
在留資格とは、日本での滞在許可や、活動許可内容のことをいいます。日本に90日以上滞在する外国人は、かならず在留資格を取得する必要があります。
現在、日本では27種類の在留資格が整備されています。通常、どの在留資格が許可されるのかについては、ビザの内容に基づいて決定されます。
「●●ビザ」は、だいたい在留資格のこと
勘の鋭い方はお気づきですよね!?
日本国内の外国人について、あの人は「留学ビザ」だ!とか「結婚ビザ」らしいよ!とかいうことがありますが、あれは在留資格のことなんです。
留学ビザは、在留資格「留学」。結婚ビザは、在留資格「日本人の配偶者等」。
これが、正式な名称です。
留学ビザ
☞ 在留資格「留学」
結婚ビザ
☞ 在留資格「日本人の配偶者等」
本当は在留資格なんですが、長いし難しいし、何よりめんどくさいので、ビザといわれているんですね。
ビザ(査証)は外務省の管轄、在留資格は法務省の管轄です。
まったくの別物ですが、同じ呼び名で扱われるため、非常に紛らわしいです。
誰かと会話していてどちらを言っているのか迷ったら、管轄に注目すると、解決できることが多いでしょう。
在留期間を守らないと…?
在留資格には、在留期間といって有効期間が決まっているんです。
たとえば、語学教師の在留資格「教育」なら、3月・1年・3年・5年が、在留期間として定められています。
どの在留期間になるのかは、人によって異なります。
国の信用度(不法滞在が少ないか、など)や、個人としての信用度(日本での活動歴やその間の行動など)によって、最初は短い期間が付与されますが、徐々に長い期間が付与されていきますよ。
在留期間が切れたら、出入国在留管理庁に行って、在留期間の延長手続きをしなければいけません。
もちろんここでは、個人としての信用度がチェックされますから、何か悪いことを行っていると、延長申請が不許可になって、帰国を命じられる場合もあります。
これを嫌い、在留期間が切れても出入国在留管理庁に行って手続きをしない外国人がいるんですね。これを、不法滞在またはオーバーステイといいます。
もし不法滞在が発覚すれば、強制退去手続きの対象となり、向こう5年間は日本に入国できなくなります。自分で出頭すれば、出国命令制度を利用することで、その期間が1年になります。
在留カード
在留カードには、在留資格と在留期間のほかにも、さまざまな個人情報が記載されているんですよ。
16歳以上の外国人は、在留カードの常時携帯が義務付けられています。
もしも携帯していない場合には、刑事罰の対象となってしまいます。
厳密には、パスポートの携帯義務が課されているのですが、在留カードを携帯していれば、パスポートは携帯していなくてもよいとされています。
日本にいる外国人のビザ
あなたが気になるあの外国人。あの人は、いったいどんな在留資格で日本にいるのでしょうか?
オフィスワーカー
在留資格:技術・人文知識・国際業務(”ぎじんこく”と略される)
ビザ:就労ビザ
オフィスでビジネススーツを着こなして、さっそうと歩く外国人ビジネスマンたち。
いやぁ、かっこいいですよね!
企業内で働くオフィスワーカーの外国人は、基本的に技術・人文知識・国際業務の在留資格で、日本に滞在しています。
母国で大学を卒業しているか、日本で大学または大学院を卒業している方が多いでしょう。基本的には、とても優秀な方が多いです。
中でも、特に優秀な外国人は、以下の資格で在留しています。
在留資格:高度専門職1号または2号
ビザ:就労ビザ
※高度専門職2号は、永住許可を受けているエリート外国人材です。
経営者
在留資格:経営・管理
ビザ:経営ビザ or 投資ビザ
外国人が日本で会社を経営するためには、経営・管理の在留資格が必要です。
なお、取得するためには、資本金が500万円以上必要です。外国人が日本で起業することは、それなりにハードルが高くなっているのです。
学生
在留資格:留学
ビザ:留学ビザ
日本の学校で勉強している外国人は、留学の在留資格で日本に滞在しています。
ただ、お父さんやお母さんのお仕事で日本に来て、学校に通っている外国人もいますよね?彼らはちがう在留資格ですので、注意してください。
例外はありますが、ほとんどの留学生は次のフローの通りに動きます。
外国人アルバイト
在留資格:留学
ビザ:留学ビザ
- コンビニのアルバイトで頑張って働く外国人たち
- 居酒屋で日本語に悪戦苦闘しながら、オーダーを取るアルバイトの外国人たち
- 早朝からバイクに乗って、新聞配達に精を出すアルバイトの外国人たち
じつに彼らの9割以上が、留学生です。
留学生は本来、就業が禁止されているのですが、資格外活動許可を受けることで、週28時間以内(長期休暇中は1日8時間、週40時間以内)のアルバイト活動が認められます。
また、風俗営業法第2条に掲げる業務には、従事することができません。
技能実習生
在留資格:技能実習 1号~3号 及び イまたはロ
ビザ:技能実習ビザ
技能実習制度は、発展途上国の若者を日本の企業へ受け入れ、技術を伝達した後、母国に戻り、その技術を還元してもらうことを目的とした、国際貢献プログラムです。
受入企業にもよりますが、パワーハラスメントが行われたり、生活居住空間が劣悪だったり、給与が異様に低かったりすることがあります。たびたびニュースなどでも取り上げられていますよね。
技能実習以外の仕事はできませんし、決まった配属先の企業を変更することもできません。
他にもいろいろな問題を抱えている制度で、現在急ピッチで管理体制が整備されています。
技能実習は最長で5年ですが、最初の1年は1号、次の2年が2号、最後の2年が3号となっています。また、イは企業単独型、ロは団体管理型を表しています。
国際結婚に関連があるビザ
日本人の配偶者等(にほんじんのはいぐうしゃとう)
在留資格:日本人の配偶者等(”にっぱい”と略される)
ビザ:結婚ビザ または 配偶者ビザ
日本人と結婚している外国人と、その子に対して付与される在留資格です。
誤解している人が多いのですが、日本人と結婚したら、かならず配偶者ビザを取得したり、配偶者ビザに変更したりしなければいけないのかというと、別にその必要はありません。また、申請をしたからといって、絶対に配偶者ビザを取得できるという保証もありません。
あくまでも、希望者が出入国在留管理庁に申請して、申請が許可されれば、配偶者ビザを取得できるという流れです。
配偶者ビザの特徴は、公務員以外ならば、日本人と同じように就業できることでしょう。
風俗営業法第2条に掲げる業務にも就けますし、資本金が1円あれば起業もできます。転職だって自在に行うことが可能です。
ビザ目的の結婚をという話を聞いたことはありませんか?
日本で働きたいという発展途上国の方が、日本で自由な就労ができる配偶者ビザの取得を目的として、日本人と結婚することをビザ目的の結婚といいます。
あなたが国際結婚を考えているのならば、ぜひ覚えておきたい在留資格ですよ!
<ビザ目的の結婚については、こちらの記事で詳しく解説しています!>
https://kokusaikekkon7.com/fake_marriage2/
永住者
在留資格:永住者
ビザ:永住ビザ(永住権といわれることもある)
永住者は、すでに長期間日本に滞在し、今後も日本に滞在すると見込まれる外国人で、日本の国益に適う人物に対して付与される在留資格です。
永住者のイメージとしては、日本人の配偶者等のアップグレードバージョンです。
日本人の配偶者のメリット(就労)はそのままで、弱点部分をカバーしている在留資格が永住者なのです。
では、日本人の配偶者等の弱点とは何なのでしょうか?
日本人の配偶者等は、例えば日本人と離婚したり、死別したりすると、在留資格を取り消され、帰国を余儀なくされるケースがあるのです。
しかし、永住者の場合は在留期限がありませんから、そのような心配はありません。
永住ビザって、どうやればとれるの?
永住ビザの細かい取得要件については、>>こちらの記事をご覧ください。
ここでは、何年以上日本に住んでいれば申請できるのか、について紹介しますね。
日本人と結婚している場合 :3年以上
日本人と結婚していない場合:10年以上
…随分と違うなぁ、なんて思いませんか?
日本人と結婚しているということは、長期的に日本に居住することが多いでしょうし、配偶者ビザという不安定な状態を嫌う夫婦も多いので、このような配慮がなされていると考えられます。
これは、国際結婚した夫婦の立場に立った、大変すばらしい制度だと思います。
しかし、これがビザ目的の結婚をする外国人に、悪用されてしまっているのは問題です。
ビザ目的の結婚は、配偶者ビザの取得が目的といいましたが、実はその先にある永住ビザの取得が本当の目的なんです。
<恐ろしいビザ目的の結婚を回避する方法をまとめました!↓>
https://kokusaikekkon7.com/fake_marriage3/
まとめ
- 「●●ビザ」というときは、在留資格のことがほとんど
- ビザに基づいて、在留資格の内容が決定される
- 配偶者ビザは、職業に関する制約がほとんどない
- 配偶者ビザは、日本人と死別・離婚すると帰国しなければならない可能性
- 永住ビザは、配偶者ビザのアップグレード版!
- ビザ目的の結婚は、配偶者ビザ⇒永住ビザの取得が狙い
いかがでしたか?
国際結婚を考えるにあたって、ここまでのビザ知識があれば、ひとまず安心です。
これで完璧かというとそうではありませんが、あとは、必要に応じてその都度調べていけば問題ないでしょう。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!