国際結婚において、跛行婚は必須の知識ですが、意外と跛行婚ってなに?という人も多いようです。
あなたが国際結婚に興味をお持ちなら、跛行婚については絶対に知っておきましょう!
もし、跛行婚について知らないと、国際結婚は波乱にみちた幕開けになりますよ!
この記事は、次のようなことを知りたい方を対象としています。
ゴメンナサイ!跛行婚ってなんですか?[wp-svg-icons icon=”confused” wrap=”span”]
エ?婚姻は2ヵ国で成立させないとダメなの?
跛行婚になると、どんなデメリットがあるのですか?
競馬好きの方には、お馴染みの用語ですよね。競馬ファンの方には、言葉の響きだけで、大体の意味はお分かりいただけると思います。
競馬ファンでなくても、跛行の説明文見ていただければ、跛行婚が良い言葉ではないことはイメージしていただけるでしょう。
ご想像の通り、跛行婚とは、超絶ネガティブな用語です。
◆ 跛行婚について、基本的な情報をお伝えします。
◆ 跛行婚によって生じる可能性がある悲劇の事例もシェアしていきます。
◆ 最後に、跛行婚の悲劇を防ぐための対策法を考えていきましょう。
1.跛行婚について解説します
(1)跛行婚とは
最初に大切なことをお伝えしますね。
それは、国際結婚においては、あなたとパートナーの国、それぞれで婚姻を成立させなければいけないということです。
なぜならば、片方の国で婚姻を成立させても、もう一方の国にその情報が自動的に共有されるようになっていないためです。
日本人同士の結婚なら、日本で婚姻手続きを行うだけでOKですよね?
でも、国際結婚だと日本とパートナーの国の2ヵ国で、婚姻を成立させなければいけないんですよ。
(2)跛行婚になってしまう原因
跛行婚の状態になってしまう原因は、次の2つが考えられます。
- 結婚時に一方の国でしか、婚姻を成立させなかったため
- 離婚時に一方の国でしか、離婚を成立させなかったため
2.婚姻手続きが一国だけだった…跛行婚4つの悲劇
婚姻時に2つの国で婚姻手続きを行わないと、跛行婚の状態になります。
ここでは、婚姻時の手続きを誤り、跛行婚になってしまった結果、起こる可能性がある4つの悲劇について解説していきます。
跛行婚の悲劇1 パートナーは重婚が可能
日本でのみ婚姻手続きをした場合に、起こりえる跛行婚の悲劇です。
あなたが知らないうちに、母国の人と重婚してしまうことが考えられます。
パートナーは自国では独身状態として認識されていますから、母国に帰って他の人と結婚することができてしまうわけです。
「まさかぁ、今どきそんなことする人いないでしょ!?」
にわかには信じられない話ですよね?
でも、結構多い事例なんですよ、コレ。
しかも、被害者である日本人が気づいていないこともありますからね。
日本人の感覚が、海外の人にそのまま通用するとは限らないということです。
さぁ、万が一あなたが当事者になったら…どうしますか?
跛行婚の悲劇2 配偶者ビザの申請ができない
初っ端の事例が重かったので、続いては軽めの内容でいきましょう(笑
跛行婚の状態では、日本国でパートナーの配偶者ビザ申請ができません。
理由は、配偶者ビザの申請には、相手国での婚姻証明の提出が必要だからですね。
配偶者ビザの申請をするには、日本と相手国の両国で、婚姻を成立させなければいけないのです。
まぁ、これは当たり前ですよね。
日本人の配偶者という身分に基づいて付与されるのが配偶者ビザですから、跛行婚の状態では取得することができません。
もしも配偶者ビザを取得できないと、日本で生活するうえでは、何かと不便ですよね。
♥配偶者ビザのメリットについて、詳しくまとめた記事です。
配偶者ビザですが、結婚ビザとも言われます。正確には、在留資格「日本人の配偶者等」という名称ですよ。
跛行婚の悲劇3 子供の国籍が不安定になる
通常、国際結婚をして生まれてくる子供は、複数の国籍を取得することができます。
跛行婚の場合、片方の国では婚姻手続きを行っていませんから、未婚の子として扱われます。
各国の国籍法が絡む問題なので、一律の結論はないのですが、必ずしも複数の国籍を取得できるとは限らなくなります。
たとえば、外国では婚姻をしていて、日本では未婚状態の日本人男性と外国人女性が、日本で子供を出産すると、子供は外国人女性の国籍しか取得できません。日本国籍取得のためには、認知が必要です。
跛行婚の悲劇4 移住の際に困る
跛行婚の悲劇2の逆バージョンですね。
日本の配偶者ビザが、日本で暮らす外国人にとって非常に便利なものであることはご存知の通りです。そして、他の国にも同じようなビザ制度が存在しています。
もしも、パートナー国で婚姻が成立していない状態で移住しようとしても、あなたは配偶者ビザの制度を利用することができません。
この場合、日常生活の上でも、不便な状況が想定されます。
離婚手続きが一国だけだった…跛行婚3つの悲劇
婚姻時にはお互いの国で婚姻を成立させましたが、離婚時には日本でしか離婚手続きをしなかったケースを想定しています。
すると、相手国では婚姻が継続し、日本では離婚していますから、跛行婚の状態になりますね。 離婚に伴い跛行婚になった場合、いくつかの悲劇が起こる可能性があります。
跛行婚の悲劇5 別れたら手が出せなくなる
日本での離婚手続きは、世界的に見ても簡単だといわれています。
たとえばアメリカやインドネシアは、離婚にあたっては裁判所の関与が必要になります。
中国でも、離婚にあたっては裁判所の関与が必要になります。
中国で婚姻”手続き”を行っていた場合にのみ、協議離婚も可能です。日本でのみ婚姻”手続き”を行い、在日中国大使館へ報告に行った場合には、裁判所での離婚になります。
と、このように、世界を見渡すといかに離婚が面倒くさいかがわかるでしょう。
最悪なのが、日本で離婚手続きを先に済ませた段階で、元パートナーに逃げられること。
まだ、むこうの国での手続きがあるから、その間に慰謝料や子供の親権・養育権の問題を話し合おう、なんて思っていると痛い目を見ることがあります。
もし、元パートナーに逃げられても、日本では離婚が成立していますから、日本の法律では手出しができなくなってしまうのです。
跛行婚の悲劇6 相手国での再婚ができなくなる
日本では離婚が成立していても、相手国では婚姻が継続した状態にあります。
ほとんどの国で重婚は認められていませんから、跛行婚の状態では、相手国での再婚が認められないことになります。
将来的に、元パートナーの国出身の、別の人と再婚を考える可能性もゼロではありませんよね?この場合には、元パートナーの行方も分かりませんから、どうすることもできません。
離婚時には、将来の再婚のことを考えられなくても、可能性だけは想定しておくべきです。
4.跛行婚を防いで、悲劇を未然に防止しよう!
跛行婚対策1 跛行婚の悪影響を、パートナーに伝えよう
結婚時に跛行婚になってしまう理由には、3つほどあるように思います。
もしも、あなたのパートナーが二国での婚姻手続きを拒んできたら、次のいずれに該当するのかを考えなければいけません。
- 国際結婚における婚姻手続きのルールを理解していない
- ルールは理解しているが、跛行婚がどのような影響を及ぼすか知らない
- 何か事情があって、二ヵ国での婚姻手続きを拒んでいる
これに対する対策は、跛行婚による悪影響をパートナーに理解してもらうことです。
それでも何かと理由をつけて正規の婚姻手続きを拒んできたら、おそらく何か秘密にしていることがあるのだと思います。
まずはその事情を真摯な態度で聞き取っていきましょう。
跛行婚対策2 跛行婚になるなら「結婚しない」と伝える
「今は日本でだけ手続きすればイイデショ!」
「必要になったら、ワタシの国でも婚姻手続きスルヨ!」
これを認めるから跛行婚の悲劇が起こるんですよ…。
跛行婚対策3 仮に離婚をするなら、相手国で先に離婚手続きを
これは跛行婚はしてしまったのもの、跛行婚によるダメージを最小限に抑えるための対策です。
もしも万が一、跛行婚の状態だった外国人と離婚することがあれば、その時には次のお話を思い出してください。
国際離婚をするなら、必ず相手国での手続きを先に行うこと!
5.跛行婚の悲劇 ~まとめ~
結婚時における跛行婚がもたらす悲劇を知ろう!
☞重婚・配偶者ビザ・子供の国籍・移住で問題が生じる
離婚時における跛行婚がもたらす悲劇を知ろう!
☞手出し不可・再婚不可・子供再開不可の可能性がある
跛行婚を避けるためには??
☞【婚姻時】悪影響を伝える・跛行婚なら結婚しない
☞【離婚時】必ず相手国の手続きを先に完了させる
いかがでしたか?
ひょっとしたら、跛行婚という言葉自体を聞いたことがない、という方もいたかも知れません。
日本とパートナー国のそれぞれで婚姻を成立させる必要性も、初めて聞いたという方もいるでしょう。
国際結婚は、日本人同士の結婚に比べて、様々な知識が必要になります。
国際結婚に関することでわからないことがありましたら、行政書士の力を借りることをオススメします。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
♥良い行政書士が見つからない!というときは、ぜひご用命ください。
ぜひあなたのお手伝いをさせて下さい!もちろん無料でのご紹介です。