ついにパートナーと国際結婚することになりました!
将来的に国際結婚を考えているから、いろいろと調べているんだ。
私も妻と結婚するときに、いろいろと調べたんですが、全体像がつかみづらかったんです。
個々の手続きはわかるんですが、全体の流れについて教えてくれる資料が少なかったように思います。
この記事は、そんな私の経験を踏まえて、全体のフローがイメージしやすい内容に仕上げました。
◆ 国際結婚で必要な2つの手続きの全体像についてシェアします。
◆ そのうちの1つ、婚姻手続きの流れを解説します。
◆ 残った1つ、配偶者ビザのことについて説明します。
1.国際結婚に必要な公的手続きは2つ
1つ目が、日本とパートナー国での婚姻手続きです。
2つ目が、在留資格「日本人の配偶者等」に関する手続きです。
(1)2つの手続きの順序
在留資格「日本人の配偶者等」(以後、「配偶者ビザ」といいます)は、婚約者の状態では取得することができません。法的に婚姻関係となった後に申請する必要があります。
というのも、配偶者ビザの申請書類の中に、両国での婚姻証明が含まれているからです。
(2)婚姻手続きは日本とパートナー国の両方で行う!
婚姻手続きですが、原則として、日本とパートナーの国の両方で行う必要があります。
日本人同士の結婚であれば、婚姻届けを市区町村の役場に提出すれば終わりです。しかし、国際結婚の場合には、日本で婚姻手続きをして、外国人パートナーの国でも婚姻手続きをすることが必要なのです。※厳密には、両国における婚姻の成立です。
両国で婚姻届けを提出しない、いわゆる跛行婚の状態は、以下のような弊害が起こります。
- 片方の国では未婚の状態になる(移住などの際に困る)
- 配偶者ビザの申請ができなくなる(相手国の婚姻証明が申請に必要)
跛行婚(はこうこん)の悲劇について、まとめた記事はこちらです!↓
(3)トータル4パターンしかない!
国際結婚にかかる法的手続きは、次のように整理できます。
- 先に日本で婚姻手続きをし、次にパートナー国で手続きする
- 先にパートナー国で婚姻手続きをし、次に日本で手続きする
×
- 最初からパートナーが別のビザ(在留資格)を取得している場合
- パートナーを海外から日本に呼び寄せる場合
国際結婚の2つの公的手続きについては、4パターンの流れがあることが分かりますね!
2.婚姻手続きの流れ
(1)どちらの国から婚姻手続きをするべき?
どちらの国から婚姻手続きをしなければいけない、というルールは存在しません。
ただし、次のような場合には、最初に日本で婚姻手続きをしたほうがスムーズでしょう。
- あなたとパートナーがともに日本にいる
- パートナーを日本に呼び寄せる場合で、パートナーの国が査証免除国である
パートナーを日本に呼び寄せる場合で、パートナーの国が査証免除国でなければ、日本への入国手続きは煩雑ですから、パートナー国で最初に手続きをしたほうがよいでしょう。
なお、婚姻手続きの際には、婚姻要件具備証明書という書類が必要になります。
(2)婚姻要件具備証明書とは?
婚姻要件ってなに?
婚姻要件とは、婚姻届を提出することができる資格のことです。
結婚をする際には、男女がともに婚姻要件を満たしていなければなりません。
日本の場合には、以下のような内容が婚姻要件となります。
- 男性は18歳以上、女性は16歳以上
- 重婚はNG
- 再婚しようとする女性は、離婚から100日以上経過
- 近親婚はNG
- 未成年は父母の同意を得る
日本人同士の結婚であれば、二人とも日本の婚姻要件をみたさなければいけません。
これが国際結婚になると、二人とも自分の国の婚姻要件をみたす必要があるのです。
つまり、あなたは日本の婚姻要件を、パートナーはパートナーの国の婚姻要件をみたさなければいけないのです。
婚姻要件具備証明書の提出
婚姻要件具備証明書は、婚姻手続きの際に、婚姻届と一緒に提出します。
パートナーの国に婚姻届を提出する際には、日本で婚姻要件具備証明書を取得し、パートナーの国に提出しなければいけません。
日本に婚姻届けを提出する際には、パートナーに、自分の国で婚姻要件具備証明書を取得してもらって、日本に提出しなければいけません。
婚姻要件具備証明書は、最初に婚姻手続きを行う国でのみ必要になります。
あなたとパートナーがそれぞれの国で、婚姻要件具備証明書を取得することはありません。
婚姻要件具備証明書の取得
日本人の婚姻要件具備証明書は、法務局で発行してくれますよ。
外国人の婚姻要件具備証明書は、パートナーの国によって、取得方法が異なります。事前に大使館のHPを調べるか、直接電話連絡して確認するようにしましょう。
婚姻要件具備証明書の詳しい内容は、こちらの記事で解説しています!↓
【婚姻要件】相手が初婚の場合は、婚姻可能年齢をチェック
日本人同士の結婚なら、男性は18歳以上、女性は16歳以上で婚姻が可能です。
ただ、国際結婚の場合には、パートナーの婚姻可能年齢は、その国の法律が適用されます。
若い外国人と結婚する場合は、念のため確認するようにしましょう。
- アメリカ:州により異なるが、男女ともに18歳が多い
- 韓国:男女ともに18歳
- タイ:男女ともに17歳
- 台湾:男性18歳、女性16歳
- 中国:男性22歳、女性20歳
- フィリピン:男女ともに18歳
- ベトナム:男性20歳、女性18歳
【婚姻要件】相手が再婚女性の場合、再婚禁止期間をチェック
国によるのですが、女性が再婚しようとする場合、前の離婚が成立してから一定期間は、再婚が認められないという再婚禁止期間があります。
日本の場合には、再婚禁止期間が100日となっています。
これは、子供ができたときに前の男性の子供か、それとも新しい夫との子供かを、判別することができるようにするため、設けられた制度です。
しかし、再婚禁止期間は、医学が発達していない時代の規定であり、DNA鑑定が発達した現在では、時代錯誤な考え方という指摘があります。
また、女性だけ婚姻届けの不受理の期間があるというのは、女性蔑視にもなりかねません。
以上のことから、諸外国では廃止の動きに向かっています。先進国で再婚禁止期間があるのは、日本だけという状態です。国連は、日本にも撤廃するよう、繰り返し勧告しています。
- タイ:310日
- フィリピン:301日
※フィリピン人同士の離婚は不可能ですが、それ以外の組み合わせなら、離婚可能です。
(3)具体的な婚姻手続き
具体的な婚姻手続きは、国によってだいぶ異なりますので、別記事にまとめていきます。
こちらの内容は、随時更新していく予定です。
国ごとの婚姻手続きは、随時こちらにまとめまていきます!↓
3.配偶者ビザの取得または変更の流れ
パートナーが日本にいる方か、海外にいる方かで、最初の考え方が変わってきます。
パートナーが日本にいる ☞ 今のビザから配偶者ビザへ変更
パートナーが海外にいる ☞ 配偶者ビザを新規取得
(1)配偶者ビザとは
配偶者ビザの詳しい説明は、こちらの記事にまとめまています!↓
中長期日本に滞在する外国人
90日以上、日本に滞在しようとする外国人は、日本政府から滞在許可を受ける必要があります。それをビザ(在留資格)といいます。
ビザは活動内容に応じて27種類あるのですが、基本的には「就労」に何かしらの制限があります。
日本人の就労枠を保護する意味合いから、特定の職種には就くことができなかったり、転職に制限があったりなど、制限を設けているのです。
配偶者ビザの最大の特徴
配偶者ビザの最大の特徴は、就労に制限がないことでしょう。公務員への就労は、国家機密保安の問題があるので難しいのですが、それ以外の制限はないというのが特徴です。
ビザ目的の結婚が横行!?
就労制限がない配偶者ビザは、日本で働いてお金を稼ぎたい、と考えている外国人にとっては、これ以上ないほど魅力的な存在です。
配偶者ビザを取得する目的で、日本人に近づく外国人も多く、結婚後に様々な問題が起きるという事例が後を絶ちません。
配偶者ビザの審査は厳しい
配偶者ビザは、結婚したからといって、絶対に取得できるわけではありません。出入国在留管理庁に申請し、審査を経て、許可される必要があるのです。
この審査というのが、ビザ目的の偽装結婚を防止する観点から、結構厳しく行われて、不許可になることも少なくないんですね。
配偶者ビザの審査は厳しく、不許可になるリスクがあることは、知っておきましょう!
婚姻手続きの後に配偶者ビザを申請
ここで思い出していただきたいのが、国際結婚にかかる2つの公的手続きの順番です。
最初にお互いの国で婚姻手続き ☞ 日本で配偶者ビザの申請
この順序については、一つ注意しなければならない点があります。
法的には夫婦関係であるにもかかわらず、配偶者ビザが取得できないというケースが考えられるということです。
日本で知り合ったパートナーが不許可になっても、元々の在留資格があるはずなので、そこまで大きな問題には発展しないことが多いです。
注意すべきなのが、外国でパートナーと知り合い、日本に呼び寄せる場合です。
婚姻手続きを完了させて、法的には夫婦であるにもかかわらず、日本での在留資格が取得できず、日本に呼び寄せられない、一緒に暮らすことができない、というリスクがあるのです。
出入国在留管理庁に偽装結婚を疑われるケースについてまとめています!↓
https://kokusaikekkon7.com/not_sham_marrige/
少しでも不安がある人は、かならず行政書士に依頼しましょう!
(2)海外からパートナーを呼び寄せる場合の流れ
この場合には、在留資格の取得手続きが必要になります。
まず、あなたが日本の出入国在留管理庁へ行き、在留資格認定証明書を申請します。
外国人パートナーが在留資格認定証明書を取得したら、在外日本公館(現地の日本大使館)に行き、在留資格認定証明書を提示して、ビザの申請をしてください。
(3)パートナーのビザを変更する場合の流れ
もともと日本にいて、日本人と結婚するパターンになります。
代表的なパターンは、次の2つになるのではないでしょうか?
① 留学ビザで日本で勉強していて、結婚するパターン
② 就労ビザで日本で働いていて、結婚するパターン
①②のパターンともに、永住ビザを取得していない限りは、配偶者ビザへの変更がオススメです。
この場合には、従来取得しているビザから、配偶者ビザへ切り替える手続きである、「在留資格変更許可申請」を行います。
流れはシンプルで、必要な書類を収集したのち、出入国在留管理庁に申請をするだけです。
まとめ
いかがでしたか?
国際結婚をする際の2つの公的手続きについて、流れはご理解いただけたでしょうか?
婚姻手続きはどちらの国から行うのか?というポイントがありましたよね。
配偶者ビザは、パートナーが日本にいるのか、それとも海外にいるのかによって、手続きの流れが変わりました。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!