国際結婚に興味はあるけど、離婚率70%なんでしょ?さすがに怖いかな…
国際結婚って、日本人同士の結婚に比べて離婚率が高いんでしょ?
既に一度、結婚生活を失敗している人も少なくなく、次の結婚こそ失敗したくない、という気持ちが強いはずですから、当たり前ですよね。
私も、日本人と離婚後、国際結婚を考えたときに、離婚率の高さがとても気になりました。
ただ、よくよく冷静に考えてみてください。
「離婚率70%って、なんかおかしくないか?」
「7割の国際結婚カップルが離婚とか、ありえないでしょ…」
結論からいうと、離婚率70%という数字はあっているのですが、離婚率70%という数値を聞く私たちの認識が間違っているのです。
この記事では、巷でいわれる国際結婚の離婚率は高い、ということについて解説していきます。
1.国際結婚で10組中7組が離婚というのは大ウソ!
まずは最初に結論からお伝えしますね!
離婚率70%というのは本当、10組に7組が離婚というのは大ウソです!
この離婚率、という言葉が曲者なんです。
特殊離婚率という離婚率
国際結婚でよくいわれる、70%という離婚率。これは、特殊離婚率といわれています。
特殊離婚率は、以下の算式により求められる離婚率です。
特殊離婚率 = その年の離婚件数 / その年の婚姻件数
厚生労働省公表の平成29年度人口動態調査データで、特殊離婚率を算出してみます。
全体の特殊離婚率 = 35.0% (212,262 / 606,866)
◆日本人同士 = 34.3% (200,603 / 585,409)
◆国際結婚 = 54.3% (11,659 / 21,457)
全体の特殊離婚率は35%、日本人同士は34.3%で、夫婦どちらかが外国人の場合は54.3%ですね。
日本人同士の特殊離婚率よりも、国際結婚したカップルの特殊離婚率の方が、20%程度ポイントが上のようです。
国際結婚の特殊離婚率は、ピークの70%から下がってきていて54.3%という結果でした。
…と、ここまでは本当の話。
しかし、次のような内容に飛躍すると、その話はウソになります!!!
- 日本人同士の結婚より、国際結婚カップルの方が離婚しやすい!
- 国際結婚したカップルは、2組に1組が離婚している!
特殊離婚率を●組に1組が離婚、と使うのは大間違い!
ひょっとしたら、次のようなことを吹聴する人がいるかもしれません。
「今や日本人は3組に1組が離婚しています!」
「夫婦どちらかが外国人だと、なんと2組に1組が離婚の時代です!」
いいですか、特殊離婚率をそのように使ってはいけません。
もしも、特殊離婚率をそのように使うのであれば、婚姻のトレンドと離婚のトレンドがまったく同じでなければならないのです。
つまり、平均婚姻期間が0年の場合にのみ、『特殊離婚率=100組中●組が離婚』が成立するということです。
しかし通常は、婚姻してから離婚するまで、数年のブランクがありますよね?
夫婦として結婚している期間を考慮しなければ、『100組中●組離婚している』なんて数値を出せるわけがないじゃないですか。
結婚期間の分だけ、離婚のトレンドは婚姻トレンドよりも遅れます。『結婚した夫婦が離婚に至った割合』を知りたければ、平均婚姻期間を考慮しなければいけないのです。
日本人同士の結婚の場合、婚姻トレンドも離婚トレンドも長期的にマイナス傾向です。なので、特殊離婚率約30%という数値も、実態からかけ離れた数値ではありません。
一方、国際結婚の場合には、婚姻件数のトレンドに注意が必要です!
国際結婚の婚姻件数は、2006年にピークを迎えました。その後、婚姻件数は逓減しています。
厚生労働省によれば、平均婚姻(同居)期間は、11.5年ということですから、現時点の離婚件数は、婚姻件数が高いときの水準であることが分かります。
婚姻件数は減少トレンドで、離婚件数は上昇トレンド。
これで国際結婚したカップルの7割が離婚している!って…開いた口がふさがりません。
特殊離婚率が54.3%というのは正しい使い方です。
しかし、特殊離婚率を用いて、約2件に1件が離婚をしています、というのは誤った使い方になります。特に、婚姻トレンドと離婚トレンドが異なる場合には、実態と乖離した数値が出てくることに注意してください。
2.国際結婚の真の離婚割合は?日本人夫婦とも比較!
これを知るためには、婚姻期間を加味するべきと説明しました。
それでは、実際に計算してみたいと思います。
[N]年度の離婚件数 / [N-11]年度の婚姻件数
※統計データで11.5年前というのは存在しないため、11年で算定
※2015,2016,2017の3年度合計で結果取得
近3年の平均値を算定した結果が、次の数値です。
日本人同士の結婚 ☞30.2%
夫婦どちらか外国人☞30.5%
「え…あれ?日本人同士の結婚も、国際結婚も同じなの?」
そう、どちらも大体3組に1組が離婚なんです。イメージとだいぶ違ったんじゃないでしょうか?国際結婚の数値の方が、高めのスコアだと思ってませんでしたか?
まだ信じられない、という方もいると思うので、データもお見せしておきますね。
どうでしょうか? 疑い深い方は、電卓で計算していただいても結構ですよ(笑
>平均同居期間を加味した、国ごとの離婚割合ランキングを作りました!
平均同居期間の限界
…と、ここまでかなり強気に発言をしてきました。
真剣に国際結婚をして生活している身としては、面白おかしく話題づくりのために、『国際結婚は危険だ!』という輩に不快感を覚えています。
ろくに調べもせずに何言ってるんだ、と。いい加減なことをいうな、と。
算出基礎データとして、『平均同居期間11.5年』がありましたが、このデータを全面的に信用していいかというと、ここには問題があります。
結論からいうと、国際結婚の場合、11.5年だと長すぎるんですよね。もっと早く離婚に至るケースが、圧倒的に多いはずなのです。
その根拠は2つあります。
- 11.5年は、日本人同士の熟年離婚の影響が大きい数字であること
- 永住ビザ目的の結婚があり、3~5年で離婚に至る割合が大きいであろうこと
詳細は割愛しますが、何パターンかシミュレートしてみた感じでいうと、”婚姻期間を加味した”国際結婚の特殊離婚率は、40%~50%というのが妥当なところだと思います。
3.国際結婚の離婚率70%の真実 ~まとめ~
いかがでしたか?
今回の記事は、国際結婚の離婚率に焦点を当てて記事を作成してみました。
私たちが一般的に離婚率と聞くと、離婚率=100件のうち何件離婚したか、とイメージしますし、知りたい情報じゃないですか。
でも、今回紹介した特殊離婚率は、単純にある年度の婚姻件数と離婚件数を比較しただけの数値で、私たちが知りたい情報とはかけ離れています。
ちなみに、特殊離婚率ではなく、国際的に正式に採択されている離婚率は、「今年離婚した人は、1,000人中何人?」というもの。
では、国際結婚した夫婦は、どれくらいの割合で離婚に至っているのか?
公開されているデータから『100件中何件離婚したのか』を推計すると、日本人同士の結婚でも国際結婚でも、そこまで大きな相違はありません。
メディアはとかく不安をあおりたがりますが、その実態はなんてことはないのです。
一部の情報を気にしすぎて、国際結婚に興味があるのに目をそらしてしまうことは、とてももったいないことだと思います。あまり心配しすぎず、まずは第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
https://kokusaikekkon7.com/first_knowlege_of_international_marriage/