Q. 国際結婚の離婚率がとても高いと聞いて、心配しています…。
私が結婚しようとしている国の外国人と、日本人との相性はどうですか?
生まれ育った環境や文化は、人格形成にも大きな影響を与えますから、日本人と相性の良い”傾向”の国はあるんでしょう。
日本人との相性が、相対的に悪い”傾向”の国もあるんだと思います。
この記事では、国別の国際結婚の離婚率を見ていき、日本人との相性を確認していきます。
もちろん、国ごとの国際結婚離婚率は、あくまでも傾向の1つにすぎません。国別離婚率を気にしすぎることは、国際結婚に向けてマイナスの影響を及ぼします。
ただ、これから婚活する方にとっての、一つの参考資料にはなるのではないでしょうか?
- 離婚率とは、「100組に●組の夫婦が離婚しているのかを表す割合」と定義します。
- H18~H29(2018年現在最新)の人口動態統計を利用しています。
- 最近急増しているベトナムについては、内訳が開示されていないため、調査対象外です。
♥国際結婚カップルの離婚率は、日本人同士のカップルより高い!?
国際結婚の離婚率が高くて不安…そんな疑問や不安にお答えします。
国際結婚の離婚率は高くありません【この記事の注意点】
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国際結婚の離婚率70%って聞いて、何を想像しますか?
国際結婚の離婚率70% ≠ 10組中7組の離婚
国際結婚はものすごく離婚率が高いなぁ。10組中7組も離婚しているのか!と想像したのではないでしょうか?
国際結婚は危険だ!離婚率がとても高い! そう感じるのが、普通の反応だと思います。
しかし、その理解は正しくありません。
ここでいう国際結婚の離婚率とは、特殊離婚率のことなのですが、特殊離婚率は、100組中●組が離婚していることを表す数値ではないからなのです。
特殊離婚率って?
特殊離婚率は、以下の数値で求められています。
その年度の離婚届出数 / その年度の婚姻届出数
はたしてこの算式で、100件中●組が離婚していることが分かるのでしょうか?
…いいえ、わかりません。
だって、離婚するカップルすべてが、婚姻した年度に離婚しているわけがありませんよね?
特殊離婚率は、その年度の婚姻届出数に対する離婚届出数の比率にすぎないのです。それ以上でもそれ以下でもありません。
特殊離婚率を「100組中●組離婚」と拡大解釈する問題点
もしも、特殊離婚率を100組中何組が離婚しているのか?として使うのであれば、婚姻と離婚のトレンドがまったく同じでなければなりません。
通常は、離婚と婚姻のトレンドは異なりますから、特殊離婚率で100組中何組が離婚しているのかを表すことはできません。
日本人同士の結婚の場合、婚姻件数も離婚件数も下降トレンドが続いています。この様な場合は、特殊離婚率でも「100組中●組」という言い方をして、大きな問題は生じません。ちなみに、大体「100組中30組」くらいです。
100組中●組離婚を算出するには?
逆にいうと、平均婚姻年数を加味すれば、それは100組中●組を限りなく正確に表したスコアとなります。
厚生労働省によれば、平均婚姻(同居)期間は、11.5年ということです。
つまり、以下の算式によって、100組中●組が離婚しているという数値を推定することができるのです。
[N]年度の離婚件数 / [N-11]年度の婚姻件数
国際結婚は、婚姻と離婚のトレンドが全く異なり、2006年に婚姻がピークを迎え、その後減少していきます。離婚件数は、後を追うように数年遅れて増加します。
これを考慮しないと、70%というとんでもない離婚率が算定されるんです。
要は、国際結婚の離婚率は、分母が小さく、分子は大きく計算されているということですね。
実際には、「国際結婚の離婚しやすさ」は、日本人同士の結婚よりも、若干スコアが高い程度なんですよ。
年数のラグをまったく考慮しないで、「国際結婚は離婚率が高い」という情報は極端すぎますので、注意が必要ですね。
この記事における国際結婚離婚率のスコア算出ルールです
ルール1 近3年の離婚件数 / 各8年前の婚姻件数
人口動態統計の結果を集計し、離婚率を国別に算出します。
なぜならば、11.5年という同居期間は、日本人の熟年離婚の増加に引っ張られた数値だからです。
では、国際結婚の平均同居期間は何年なのでしょうか?
2006年に国際結婚の婚姻数はピークを迎えていますが、国際結婚の離婚数のピークは2009年です。これは、当時、永住ビザ目的の婚姻(3~4年で離婚に至る)が多かったことを考えれば納得できる数字です。
ただ、ビザ目的の国際結婚でなくても、当然離婚は考えられます。そこで、以下の算式と仮定をして、今回はスコアを算出します。
ルール2 国際結婚全体の離婚率と比較する
国際結婚全体の離婚率と比べてどうなのか、いわゆる偏差値という形でランキング化します。
ルール3 離婚率の調査対象は人口動態統計で調べられる国のみ
人口動態統計から離婚率を調査できる国は、以下の10ヵ国のみです。
韓国・朝鮮、中国、フィリピン、タイ、米国、英国、ブラジル、ペルー、その他
残念ながら、これ以外の国の国際結婚離婚率は、現状のデータでは明らかになりません。
日本人男性の国際結婚国別の離婚率ランキング
国際離婚率が高い(相性が悪い)相手国 Worst3
第1位 その他(偏差値:30.8)
5年度平均の離婚率は40.38%で、偏差値は30.8でした。近年、離婚率が増加を辿っていますが、内訳が不明のため、詳細は分かりません。
ベトナム人との国際結婚は、業者婚が大変増えています。また、留学生として来日しているベトナム人女性も多く、恋愛結婚も今後は増加するでしょう。
日本人男性とベトナム人女性の相性は悪くないといわれていますが、ふたを開けてみないと分からないところはありますね。
第2位 タイ(偏差値37.9)
5年度平均の離婚率は37.67%で、偏差値は37.9でした。微笑みの国タイがワースト2位という結果です。
平均の国際結婚離婚率よりも、一貫してタイ人女性との離婚率が上回っていますね。
タイ人の女性は美しさに対するこだわりが強く、男性が見た目だけで選んでしまうことで、女性が精神的に滅入ることが多いといわれます。
日本人との相性が悪いのではなく、若くて美しい女性を好んで結婚する日本人男性が多いことが原因だと考えられます。
タイ人女性との国際結婚数は、日本人男性の国際結婚件数のうち、全体の7%程度です。
婚姻件数そのものが多くないので、あまり目立っていませんが、離婚率は決して低い数値ではありません。
美しく、若い女性と結婚したい!という理由だけでタイ人女性と国際結婚すると、うまくいかない傾向があるようなので、十分に気を付けてください。
第3位 フィリピン(偏差値:44.6)
5年度平均の離婚率は35.14%で、偏差値は44.6でした。
日本人との相性は良いといわれますが、比較的高い離婚率が出てきました。
フィリピンでは外国への出稼ぎが当たり前です。どうしても、国際結婚すると仕送りの問題が生じてきます。
フィリピン家族への仕送りが家計を圧迫し、問題を引き起こすことも多いようです。
また、フィリピン人妻への暴力も、離婚の原因として挙げられますね。
日本人男性の国際結婚相手国として、フィリピンは中国に次いで2位の大国です。
日本人男性の国際結婚のうち、4件に1件はフィリピン人女性との結婚なんですよ。
国際結婚の母数も多く、離婚率も高いですから、フィリピン人女性との離婚話も多く耳にするのでしょう。
国際離婚率が低い(相性が良い)相手国 Top3
第3位 アメリカ(偏差値:55.5)
5年度平均の離婚率は31.05%で、偏差値は55.5でした。
非常に精神的に自立している傾向がみられるのがアメリカ人女性です。
思ったことをストレートにいう人が多いので、大人しい草食系男性だとビックリしてしまうかもしれませんね(笑
悪い時のスコアも、国際結婚の平均離婚率を大きく下回ることがありませんね。
恐らく、日本に来日しているアメリカ人女性との国際結婚が多いと思うので、日本文化に十分慣れ親しんでいることも要因として挙げられるでしょう。
第2位 イギリス(偏差値:58.3)
5年度平均の離婚率は30.00%で、偏差値は58.3でした。
正直ちょっと意外な順位です。
というのも、イギリス人女性は自分を強く持っている傾向が強く、日本人男性とは合わないと思ったからです。
主義主張もハッキリしている女性が大変多いのが特徴です。
日本文化に馴染んでいる人が多く、また日本人男性も英語力が堪能な人が多いので、摩擦が生じづらいのでしょう。
第1位 韓国・朝鮮(偏差値:64.7)
5年度平均の離婚率は27.59%で、偏差値は64.7でした。
恐らく、特別永住者との婚姻が含まれていることが要因ではないかと思います。
とはいうものの、一貫して平均離婚率を下回っているのは特筆すべきことです。
実は、近年の日本人同士の離婚率よりも低い数値というのは、注目してよいデータだと思います。
日本人男性の国際結婚、国別離婚率のまとめ
ここまで触れなかった国で特筆すべきは、中国人女性との離婚率でしょう。
ここ数年で離婚率が激減しており、離婚率の減少幅は、目を見張るものがあります。
ビザ目的の来日が減少する一方、高度人材が増加したことが要因と考えられます。
今後はますます高度人材が来日することが予想されますので、離婚率の減少にも拍車がかかるのではないでしょうか。
♥中国人=「怪しい」!? その認識は、ひょっとしたら時代遅れかも?
今、日本にいる中国人。これから日本に来る中国人について解説します。
日本人女性の国際結婚国別の離婚率ランキング
日本人女性の国際結婚、国別離婚率のまとめ
イギリス男性とアメリカ男性以外(というか、おそらく欧米系男性)、まったくうまくいってないですね。韓国・朝鮮は一見落ち着いた離婚率に見えますが、それでも日本人同士の離婚率より高い離婚率なんです。
これは相性なのか、日本人女性のプライドが高いのか、それともイギリス・アメリカ以外の男性がだらしないのか…
少し意外かもしれませんが、日本人男性より、日本人女性の国際結婚の方が、全体として国際結婚の離婚率が高いということは、知っておいた方が良いかもしれません。
国際離婚の国別情報を気にする方は、ハーグ条約も知っておこう
国別の国際離婚率について気になる方は、ハーグ条約についても知られた方が良いですよ。
ハーグ条約とは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」の俗称です。
…とても過激な名前の条約ですよね。
それでは、ハーグ条約について簡単に説明していきます。
(1)ハーグ条約ができる前
国際結婚をした夫婦の中には、残念ながら離婚という結末を迎えるカップルもいます。
すると離婚後、母国に戻る人も出てきますよね。
この時に、我が子かわいさゆえに、監護権(≒親権)がないのにもかかわらず、子供を自分の国へ連れ去る親がいるのです。
子供にとっては、今までの人間関係がリセットされるだけでなく、言葉が通じない異国に連れてこられるわけですから、大変なストレスになります。
これに対して、監護権のある親がどうしていたかというと、元配偶者の国(外国)の裁判所に子供を返すよう訴えを起こさなければならなかったのです。
もちろん、裁判の間は面会もできません。大きな覚悟と労力が求められていました。
(2)ハーグ条約の意義
ハーグ条約では、原則として監護権侵害を伴う子供の連れ去りがあった場合、とりあえず「もともと子供が生活していた国に戻す」ことを義務付けています。
また、親子が面会できない状況を作らないよう、両親の国が支援するよう求めています。
このように、「国際離婚に伴う子供の連れ去り」に対して、子供の人権を守る意味から創設されたのがハーグ条約なのです。
(3)ハーグ条約の効力
ハーグ条約は、条約締結国間においてのみ有効です。
日本は2014年にハーグ条約が発効していますから、ハーグ条約締結国の人との国際離婚については、子の連れ去りを心配する必要がありません。
気にしなければいけないのは、あなたのパートナーとなる人の国が、ハーグ条約を締結しているかという点です。
2019年現在、アジアの国のほとんどはハーグ条約を締結していません。
つまり、ハーグ条約未締結の国の人と国際結婚し、離婚してしまった場合、子の連れ去りが起こる可能性があり、子供に大きなストレスがかかる可能性があるということです。
この場合、子供を連れ去った側が完全に有利で、取り返すのは難しいでしょう。
ハーグ条約締結国については、こちらから確認できます。(出典:外務省HP)
国際結婚の国別離婚率「日本人との相性」~まとめ~
特殊離婚率をもって、「100組中●組離婚」というのは的外れ
平均婚姻期間を加味して、離婚率を算出してみた
☞国際結婚も日本人同士の婚姻も、離婚率は大差ない
☞男女ともに欧米系の人との相性は良い
☞韓国・朝鮮は、特別永住者が入っているので注意
☞中国人の離婚率は、今後急速に減ることが予想される
国別の離婚率を気にするなら、ハーグ条約も確認する
いかがでしたか?
この記事では、国際結婚における国別の離婚率をご紹介しました。
ひょっとしたら、意外な国の離婚率が高くてビックリされたかもしれませんね。
ただ、離婚率が高い、低いという傾向があったとしても、あくまでも”傾向”にすぎません。
これで、「○○の国の人とは、結婚してもうまくいかない」などと、曲解はしないでくださいね。
これから国際結婚の婚活をしようするかたには、「ふ~ん」という感じで、参考になさってもらえれば幸いです。
もし、すでにお付き合いしている人がいたり、国際結婚したりしているのなら、こんな記事を参考にしてはいけませんよ!
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
https://kokusaikekkon7.com/first_knowlege_of_international_marriage/