中国人ってどうしてあんなに値切るの!? 半端ないんですけど…
中国人は買い物するときに値切るらしい、と聞いたことはありませんか?
日本で長く生活している中国人はそうでもありませんが、生粋の中国人はかなりアクティブに攻めてきます!
中国人特有の発声(上下に音が動く四声(しせい))で勢いよく値切られると、おとなしい日本人は面食らってしまいますよね(笑
…どうして中国人って、あんなに値切るんでしょうか?
じつは値切る理由には、中国人特有の性格や特性が深く関連しているのです。
今日は私の中国人妻であるKEYの行動を通じて、中国人の値切り習性について考えたいと思います。
今回の記事では、実際にどんな感じなのかを、ご紹介できればと思います!
1.中国人の2つの値切りエピソード
EP1.家電量販店で買い物するときの中国流値引き
日本の家電は安いし、高性能だし、サポートも手厚いし…日本の家電は、いまだに中国で人気があります。中国に里帰りする時には、『新しい家電を買ってきて』と、彼女の親族からお願いされています。
ですから、中国人の妻とは、けっこう家電量販店には足を運ぶんですよ。
……で、かなりの確率で、きわどい値引き交渉を目にするのです。
①まずは商品の確認から!
家電量販店に行くと、まず中国人の妻がやることは、商品の確認です。
店員さんを呼んで、商品性能・人気・型番・値段等に関する説明を執拗に求めます。その会話の中で、本当にその商品が中国にもっていくにふさわしいものかを見極めているのです。
そして、さりげな~くどこまで値引きできるのかも交渉しています。中国人妻は、ここでは購入の意思を示さず、少し考えるといって店員さんから離れるんですよ。
②他店での販売価格の確認
店員さんから離れた中国人妻が、カバンからおもむろ取り出したのはスマートフォン。何をするのかと思っていたら、堂々と他店の値段をスマホで調べ始めましたよ!
Ama●nがいくらとか、ヨド●シはいくらだとか、この店は高いとか普通に声に出します。
…これ、どうですか? 日本人だと抵抗ないですか?
私も最初に見た時には、相当抵抗がありまして、
と言ったんですよね。
そうしたら、
と怒られてしまいました。
う~ん、たしかに他店より安ければお声がけください、って書いてあるしね…。中国人妻のいうことも、一理ある気がします。
最近では、中国人妻の行動パターンが読めてきましたので、このフェーズになると、私は妻からそっと離れます(笑 だって、やっぱり恥ずかしいですから!
③値引き交渉。そして購入へ…
最安値を確認し、妻の中で目標とする値段が決まると、いよいよ価格交渉です。ミッションのクリア条件は、最低でも調査した最安値、できればそこから一声欲しいと思っています!
中国人妻の値切りミッション
- 競合他社を含めて、一番安い値段で買おうとする ☞最低目標
- できれば、最安値からもう一声欲しい! ☞努力目標
中国人妻は、スマートフォンを店員さんに見せたり、ほかの商品と比べたりして、店員さんと一進一退の攻防を繰り広げています。
ちなみに、どんな交渉をしているのかはわかりませんし、どんな会話をしているのかも聞いたことがありません。
なぜなら、私は恥ずかしくて、遠くに行って他人のフリをしているからです!こんな時にしか見ることがないような、高級家電をサルのように眺めて、楽しんでいますよ。
…待つこと15分後。どうやらミッションコンプリートのようです。
大体、最低限の目標しか達成できていないことが多いのですが、それでも中国人妻は納得の表情を浮かべています。
これはすごいと思うのですが、値引き交渉が終わると、なぜか中国人妻と店員さんは仲良くなっていることが多いですね。…どうやってるんだろう?
私の妻は、日本での生活が長いので、値引きが効く店と効かない店は、ちゃんと判断がついています。
彼女の名誉のためにいいますが、ご近所のスーパーだとか、日常雑貨だとか、値引き文化がない買い物時には、値引き交渉はしませんよ!
EP2.中国ママの本場の値引きは、正直ひいた…
あなたは、”オバタリアン”という言葉を、聞いたことがありますか?
一時かなり流行った言葉だと思うんですが、最近の若い人は知らない人が多いかも…?
語源は、1986年公開のホラー映画『バタリアン』(「おばさん」と「バタリアン」のかばん語)。「Battalion」は英語で「大隊」や「大群」を意味する。
庶民的な中年女性を風刺したもので、特に世間に対し無神経に迷惑をかける姿を描いたものが多いが、中には犯罪に等しいような悪質な行為もある。(Wikipediaより引用)
ーーーこれは、結婚のごあいさつをするために、初めて中国に行った時のことです。
季節は秋の入り口を迎え、これからだんだんと肌寒くなるであろうという頃。
中国のお土産を買って下さる、ということで、高級なデパートに行きました。
何がいいかな?と思ってみていると、とてもハイセンスなマフラーを発見。
妻にあれが欲しい!と伝えました。
中国人妻がママにそのことを伝えたのですが…そこからは、ママの独壇場でした!
まるで10年来の友人かのように、体中をさわりまくるのです!
日本だったら、何かしら問題になるくらいに、店員さんにボディタッチを続けます!
…10分後、根負けしたのは憔悴しきった店員さんでした。
店のオーナーに電話をかけて、値引きの許可をとってくれたのです。
だいぶ値引きしてくれていたので、「谢谢」とお礼を言ったんですけど…
その店員さん、値引いた金額は自分のお給料から充当してくれたらしいです!
店員さんにかける言葉は、「谢谢」じゃなくて「对不起(ごめんなさい)」だったんですね。
最後までその店員さんは、笑顔で私たちを送出してくださいました。
これには、さすがの中国人妻もひいてましたよ(笑
本場のオバタリアンパワー、マジ半端ないです!
2.中国人が値引交渉をする2つの理由!
中国に行ったとき、妻のお姉さん夫婦も相当しつこく値引き交渉をしていました。お姉さん夫婦は、どちらかというと大人しい人たちで、ビックリしたのを覚えてます。
妻の日常的な値引き、ママの強引な値引き、そして大人しいお姉さん夫婦の値引き…そういえば、AliExpressも値引きが当たり前だったような…
…ん?中国って値引交渉が当たり前なのか?とここで気が付きました。
そこで、単刀直入に中国人妻に聞いてみたんですよ。
へぇ、やっぱりそうなんですね!
で、ちょっと気になったのは、なんで値引文化が生まれたのかってこと。
この点について、妻にもいろいろと聞いてみました!
理由1 中国では主張することが評価される!
中国は、自分の主張をきちんと相手に伝えることが評価される社会です。
日本では、自己主張は美徳とされず、どちらかというと相手の主張を受け入れて、妥協する社会ですから、この感覚は理解しづらいかもしれません。
中国の買い物文化
中国では『市场(シーチャン)』と呼ばれる伝統的な市場があり、多くの市民でにぎわっています。そして市场では、当たり前のように値引き交渉が行われます。
1元単位での値引き交渉や、おまけをつけてくれ!という交渉から、まとめ買いするから安くしてくれ!という交渉まで、あちこちで行われています。
私もそうですが、本当に売値で満足していることって、なかなかないですよね? 心のどこかで、少し高いんじゃないか?と思うことが多いと思うんです。
中国人は、そのような気持ちを持った時には、我慢するのではなく、『値引き交渉』というかたちで自己主張するのです。
日本の買い物文化
日本では、多少価格に不満があっても、値引き交渉はしませんよね?
なぜならば、その価格でみんなが取引をしているからです。 特定の人だけが値引きをしてもらうと、不公平感が生じて、嫌な思いをすることをわかっているからです。
そして、そのような消費者心理を業者も理解していて、とんでもない値入はしないだろう、と顧客が安心しているから、スムーズな取引が実現できているのですね。
理由2 中国人は商人の値付けを信用していない!
日本人は、商人に対する信頼感があります。
『この売値は多少高く感じるけど、きっと真っ当な販売価格なんだろう』
ところが、中国人は商人に対して信頼感がありません。
『この売価はとんでもなく高い!値下げさせなくては、自分が損をしてしまう!』
中国人は、中国人の商人の値付けを信用していないので、自分の感覚を重視するわけです。
その結果、値引き交渉をしなければ損をする!という感覚になっているんですよ。
私の妻の行動からも、商売人への不信感を感じる…!
私の妻は、日本で買い物をするときでも、必ずレシートの中身を細かにチェックしています。実際に買った個数と、会計の個数はあっているのか?商品の単価は、きちんとセール後の金額で計算されているのか?などなど。
これは、大きな買い物はもちろん、日常的なスーパーの買い物であっても、毎回かかさずチェックしてます。
ところで、あなたはお買い物をした後、きちんとレシートの中身はチェックしていますか?
私の妻は、何回も店員さんの処理ミスを発見してましたよ! 私もビックリしたのですが、かなりの確率で何かしらのミスがされているんですよ!
…私が通っているお店だけかもしれませんが(笑)
中国人妻は、お会計のミスを発見すると、よろこんで私のところに飛んできます。
いや、まぁ…家計的には大助かりなので、私は何も言えませんが(笑
3.日本の商売人が、中国人の値引きに対抗する方法
この内容は、日本で頑張って商売されている方に、読んでいただきたい内容です。
中国人から、商品の値引きを要求されたときには、どうすればいいのでしょうか?
答えはとってもシンプルです。
「1円たりとも値引きはムリです」と、態度を明確にすることです。
「不可以减价」(値引きはできませんよ!)と貼紙をしておきましょう。 お互いの時間がムダにならないので、これがベストだと思います。
中国人にとって値引交渉は、挨拶みたいなもんですから。 とりあえずいってみて、値引してくれたらラッキーという感覚なんです。
逆に、値引きに応じてしまうと、他の中国人にも値引きしなくてはなりませんよ! お店的には美味しいこともありますが、たぶん思いっきり足元を見られます。
値引きに応じなければ応じないで、お客が他店に流れるリスクがありますけどね…よくご検討の上、どうするのかを慎重にお決めください。
ちなみに、中国人は特別扱いされることが大好きです。
- 『こんなに値引きするのは、あなただけですよ』
- 『このオマケは、大量に買ってくれたあなたへの特別なプレゼントです』
この様な一言を添えると、中国人ネットワークに良い形で紹介されるのではないでしょうか?
4.中国人の値引き文化 ~まとめ~
- 中国人にとって値引交渉はあいさつ
- 根底には商人への不信感?
- 我が愛妻は、毎回レシートを細かくチェックしている
- 日本のスーパーは、レジのミスが意外と多い!
いかがでしたか?
今回は、中国人の値引特性と、なぜ中国人が値引きをするのかについて説明しました。
中国人にとっては、値引きは挨拶みたいなもので、中国では買い物シーンのいたるところで目にすることができます。
ただ、ひょっとしたら、今後は中国の値引き文化も、安泰ではないかもしれません。
ご存知のとおり、中国では急速なキャッシュレス化が進んでいます。
都市部を中心に、無人のコンビニも続々と登場しています。
こうなってしまうと、もはや値引交渉の余地はなくなってしまいますよね。
また、アリババをはじめとしてネット通販が、市民生活に浸透していますから、『普通の値付け』がどれくらいなのかが簡単にわかってしまいます。
つまり、今までのように、商人がとんでもない値段で吹っ掛けることが、難しくなってきているのです。
- キャッシュレス&AIによる無人店舗トレンドは、当面続くだろう
- ECサイトの浸透により、統一的な価格帯に対する安心感が増すだろう
この様な状況から考えると、中国の伝統的な値引文化は、もはや長くは続かないのではないでしょうか?
…それはそれで、ちょっと寂しい気もしますけどね。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!