ひょっとして、パートナーの国で婚姻手続きしようとしたら、婚姻要件具備証明書が必要といわれてお困りではありませんか?
婚姻要件具備証明書って何ですか?よくわかりません。
婚姻要件具備証明書って、どうやって取得すればいいの?
でも、国際結婚をする場合には、婚姻要件具備証明書の知識は必須ともいえるものです。
…何にもわからなくて、途方に暮れているあなた!ご安心ください!
私も最初はちんぷんかんぷんな状態でしたが、何とか無事に婚姻手続きができています!
この記事を読むことで、知識ゼロの状態から、国際結婚手続きが完了できるレベルまで、一気にレベルアップすることができますよ!
◆ 婚姻要件と婚姻要件具備証明書について、理解を深めます
◆ 婚姻要件具備証明書の取得方法について、流れを解説していきます
この記事では、日本の婚姻要件具備証明書の取得について説明しています。
外国人の取得は、国ごとに大きく制度が異なりますので、個別の記事で紹介しています。
※信頼できる行政書士をお探しであれば、以下の関連記事を参考にしてください。
関連記事1:知らなきゃ損!絶対に後悔しない行政書士の選び方とは?【国際結婚】
関連記事2:行政書士をお探しの方必見!【無料】でエリート行政書士をご紹介します!
1.婚姻要件具備証明書とは
婚姻要件具備証明書の必要性
まずは婚姻要件具備証明書というものが、なぜ必要になるのかについて、説明しますね。
国際結婚の場合、原則的には日本とパートナーの国において、それぞれ婚姻手続きが必要になります。
なぜ2ヵ国でそれぞれ婚姻手続きを行わなければならないのか?
それは、一方の国で婚姻を届け出ても、相手の国に自動的に通知される仕組みが、いまだに確立されていないからなんです。
すべての国において、国民の状態の把握は、とても重要性が高い情報として認識されています。
その人は独身なのか、それとも結婚しているのか。結婚しているなら扶養親族はどうなっているのか?子供は何人いるのか?
この様な管理情報がなければ、税金の徴収もままならなくなり、国の存続に関わってきますよね。これは日本だけでなく、あなたのパートナーの母国においても同様です。
ところが、この情報が共有されないため、それぞれの国で婚姻手続きが必要になる、というわけですね。
各国における婚姻要件の適用関係
さて、それぞれの国で婚姻手続きを行うといいましたが、実はそれぞれの国には、独立した婚姻要件(〇歳以上が結婚できるetc.)を定める法令があります。
たとえば、ある国では16歳以上で結婚できますが、ある国では20歳以上でないと結婚できない。ある国では、重婚が認められていますが、ある国では、重婚が認められない。
この様に、婚姻要件は各国によって異なるのです。
そしてこれが最重要ポイントなんですが、それぞれの国で婚姻手続きを行う際には、「その人の出身国の婚姻要件」が適用されるんですよ。
ちょっと分かりづらいと思いますので、簡単な例を挙げましょう。
日本人のあなたと、A国出身の外国人が国際結婚することになりました。
この場合、日本とA国でそれぞれ婚姻手続きを行います。
その際、どちらの国の手続きでも、あなたは「日本の民法に定める婚姻要件をみたしているか?」、パートナーは「A国の法令に定める婚姻要件をみたしているか?」という観点から、お役所のチェックを受けるのです。
このように、外国の私法を考慮してルールを決定することを、反致(はんち)といいます。
なお、本当はA国側の反致の考え方も絡んでくるのですが、モデルを簡略化するために、ここでは触れていません。
重婚禁止と再婚禁止期間の要件は、日本法が優先され、外国人の方にも適用されます。つまり、相手国の婚姻要件にかかわらず、「二重婚以上は禁止・女性は離婚後100日は再婚不可」となります。
他国の婚姻要件なんて、普通は知らないよね…
日本の婚姻要件は分かりますが、きっとA国の婚姻要件は詳しく知らないですよね?
すると、その外国人がA国の婚姻要件をみたしてるのか、判断ができないのです。
よくわからないまま許可して、後で問題になっても困りますし…
いちいちA国の婚姻要件を調べていたのでは、業務が圧迫され、たまったものではありません。
それでは、どうすれば良いのでしょうか?
ここで採用されているのが、A国側から「この人は、A国の婚姻要件をみたしてますよ!」というお墨付きをもらうという方法なんです。
相手の国のお墨付きがあれば、A国の婚姻要件に関する知識がなくても、いちいちA国の婚姻要件を調べなくても、まったく問題がありませんよね!
逆に、A国での婚姻手続きを行う際には、日本側が「この人は、たしかに日本国の婚姻要件をみたしていますよ!」というお墨付きを与えます。
この役割を担っているのが、婚姻要件具備証明書という書類なんです。
婚姻要件具備証明書が必要になる場面
婚姻要件具備証明書が必要になる場面について、まとめていきましょう。
では、簡単な例を使っていきますね!
- 日本人のM君と中国人のKさんが、これから結婚しようとしています。
- 2人はまず、中国で婚姻手続きを行うことにしました。
Q1.婚姻要件具備証明書について、必要ですか?不要ですか?
Q2.必要な場合には、だれの婚姻要件具備証明書が必要ですか?
[wp-svg-icons icon=”thumbs-up” wrap=”span”]A1.もちろん必要ですよね。
[wp-svg-icons icon=”thumbs-up” wrap=”span”]A2.だって、中国の役所は、日本の婚姻要件を知りませんから!だから、日本人Mくんの婚姻要件具備証明書が必要になります。
- 日本人のM君と中国人のKさんは、中国での婚姻手続きが完了しました。
- 続いて2人は、日本で婚姻手続きを行うことにしました。
Q1.婚姻要件具備証明書について、必要ですか?不要ですか?
Q2.必要な場合には、だれの婚姻要件具備証明書が必要ですか?
[wp-svg-icons icon=”thumbs-up” wrap=”span”]A1.じつはこの場合、婚姻要件具備証明書は必要ありません。
なぜかというと、中国で婚姻届けが受理されたということは、夫婦ともに「自分の国の婚姻要件をみたしている」ことが、すでに確認されていますよね?
中国では、結婚すると結婚証という証明書が、夫婦それぞれに与えられます。
つまり、結婚証を持っているということは、M君は日本の婚姻要件を、Kさんは中国の婚姻要件をそれぞれみたしているという証明に他なりません。
そうすると、「わざわざ手間暇かけて婚姻要件具備証明書を取得してもらう必要なくね?」となって、結婚証の提示でOKとなるんですね。
ちなみに、日本で先に結婚した場合は、中国に何を提示するのか、想像つきますか?
答えは、「戸籍謄本」です。
2.日本の婚姻要件具備証明書を取得する方法
婚姻要件具備証明書は、どこで発行してもらえるの?
婚姻要件具備証明書は、以下の場所で発行してもらうことができますよ。
① 法務局(本局・支局)
② 日本大使館
③ 各市区町村の役場
この様に、意外とどこでも発行してもらえるのですが、法務局発行のものでないと、有効な書類として認められない国もあります。特別な事情がなければ、法務局で発行してもらうとよいでしょう。
なお、今回の結婚が再婚である場合、離婚証明書が必要になるケースがあります。これは、離婚をしていることを証明することで、重婚を避ける意味があります。離婚証明書も、法務局で発行してもらえますよ!
☞全国の法務局の所在地です(法務局HP)
婚姻要件具備証明書の取得のために、用意するものはなに?
婚姻要件具備証明書の発行に必要なものは、以下の通りです。
- あなたの戸籍謄本
- あなたの印鑑
- あなたの身分証明書(運転免許証、保険証、パスポートなど)
- お相手の国籍、生年月日、氏名、性別などの個人情報 ☞証明書類は不要
※法務局により必要なものが変わることがあります。必ず事前に電話確認をするようにしましょう。
また、離婚証明書の発行については、次のものが必要です。
- あなたの戸籍謄本
- あなたの印鑑
- あなたの身分証明書(運転免許証、保険証、パスポートなど)
婚姻要件具備証明書の、認証を受けましょう!
婚姻要件具備証明書と離婚証明書は、そのままでは正式な書類として認められません。
日本にある外国の大使館・領事館の領事による認証(=領事認証)を取得することで、初めて海外での証拠資料として認められるのです。
なお、在日大使館・領事館の認証を受けるためには、まず、日本の外務省による認証(=公印確認)を受けなければなりません。
つまり、こういう流れになりますよ!
婚姻要件具備証明書・離婚証明書の発行を受ける
▼
日本の外務省の認証を取得
▼
パートナー国の在日大使館・領事館で認証を取得
※ハーグ条約締結国であれば、外務省の認証のみでOKです。(アポスティーユ)
※中国は、ハーグ条約未締結ですので、アポスティーユは通用しません。
外務省の認証
外務省への申請と受け取り方法については、以下の3つのパターンがあります。
- 窓口で申請して、後日、窓口で受け取る(申請日の翌日(土日祝を除く)午前9時から受け取れます)。
- 窓口で申請して、後日、郵便で受け取る(申請日の約2~3日後(土日祝を除く)に受け取れます)。
- 郵便で申請して、後日、郵便で受け取る(申請(発送)から受領までは約10日~2週間です)。
※当日の受取りは不可能ですので、スケジュールの調整には気をつけましょう!
※時期によっては大変混雑しますので、郵送での手続きをオススメします。外務本省または大阪分室のいずれかに郵送してください。
外務本省
〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1 外務省南庁舎1階
外務省 領事局領事サービスセンター 証明班
大阪分室
〒540-0008 大阪府大阪市中央区大手前4-1-76 大阪合同庁舎第4号館4階
外務省 大阪分室証明班
※念のため、電話番号も記載いたします。
外務本省
03-3580-3311(代表)
(代表電話番号にかけますと,オペレーターが電話に出ますので,内線「2308」に転送するようお伝え下さい。)
月曜日~金曜日(祝日を除く)
9時00分~12時30分,13時30分~17時00分
大阪分室
06-6941-4700 (音声ガイダンスの後,「1」を押してください)
月曜日~金曜日(祝日を除く)
9時00分~12時15分,13時15分~17時00分
参考URL:外務省HP(公印確認・アポスティーユとは)
日本にある外国の大使館・領事館の認証
ハーグ条約締結国の場合は、在日大使館・領事館の認証は不要です。
この認証を受けることで、日本の公文書が真正なものであることが証明されます。
外務省で公印確認を受けた後、その国の大使館等へ持ち込めば、問題なく認証を取得できますので、ご安心ください。
婚姻要件具備証明書について ~まとめ~
婚姻要件は、自国の要件をみたす必要がある
自国の婚姻要件をみたしている証明を、婚姻要件具備証明書で行う
あなたの婚姻要件具備証明書は、パートナー国で最初に手続きするときだけ必要
☞日本での婚姻手続きは、現地での婚姻証明でOK
最初に日本で婚姻手続きをするなら、パートナーの証明書が必要になる
あなたの婚姻要件具備証明書は、外務省と在日大使館等の認証を受ける必要
☞パートナー国がハーグ条約締結国なら、外務省認証だけでOK
いかがでしたか?
この記事では、婚姻要件具備証明書の取得について、解説してきました。
国際結婚の手続きって本当にめんどくさいな…と思われた方もいますよね?(笑)
ただ、困難を乗り越えた先には、パートナーとの幸せな生活が待っています。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!